桃太郎ジーンズ

さて、ジーンズを買ってきたからには、まず洗った方がいいだろう。
天然藍染めだからまずは最初の藍を洗い落しておかないといけない。
それに、織布にのりがついているからそれも落として柔らかくしたい。
なによりもちょっとでも洗う回数を増やして色落ちを楽しみたい。
洗い方のレシピも貰って来た。
洗濯機で洗っていいが、洗剤は添加物を使用しない中性洗剤がいいと書いてある。
しかし、汚れてるわけではないから水でいいだろう。
ファスナーやボタンを全部止めて、裏返して洗うそうだ。
その通り全部やった。あとは陰干しだ。十分日陰で干したらアイロンをかけて
完成だ。
それで何かに化けるわけではない。ジーパンはジーパンだ。
「なかなかええ色やないか」
「ええ味してるで」
ほくそ笑むのは自分だけだ。
早速はいて、外に行っても、「○○さん、ええのはいてますなあ」と言ってくれる
人がいるわけはない。
完全に自己満足の世界だ。
それはそれでいいのだ。
それで、何度も洗って色落ちすればするほど、本藍は明るい色になっていくという。
こういう風に使えば使うほど味がでるというものがあって、それを使い込んで行くと
いうのは楽しいものだ。
それに本藍、それも日本独自のつくもを使った藍染めとインディゴ染めがはっきりと
どうちがうのか身を持ってわかってみたいのだ。
そうして、「時間をかけて使い込む」とか「味がある」、「味がでる」
そう言う言葉が意味する文化を大事にしたいものだ。
ジーパンでなければならないことはないが、これも遊びの一つ。

jiens101115-1 jiens101115-2

毎週月曜はこだわりのモノの話です。