中国、廬山&安徽、文房四宝の旅−28、安徽、屯渓のホテルで水墨画の実演販売を見る。

屯渓のホテルで水墨画の実演販売を見る。

ホテルに着いたときから気になってた。玄関ロビーの正面奥でなにやら絵を描いてはる人がいる。
水墨画みたいやんか。
気になるなあ。
シャシャシャ、サラサラサラ、目にも留まらぬ速さで筆を動かして山水を描いてはる。
晩御飯を食べに2階のレストランに行く途中も気になって見ながら登った。後でじっくり見に行こう。
飯を食い終わって酔っ払ったエエ気分で早速見に行った。

どうもホテルと契約して、あるいは頼まれてここで実演販売をやってはるらしい。
この看板を見ると、名前は「願世広」、雅号は? 1969年生まれ、かの孔子の故郷、
山東省の曲阜市出身、しかも顔真卿の36代の後裔に当たると書いてる。
すごい人ではないやろか?
そんなすごい人がこんなとこにいててええんやろか?
そのわりには後日ネットで検索しても出て来いへん。
急いで行った時にはもう時既に遅し、実演は終わった後やった。
残念。しかし、念のために、日本から来たんやとか? 水墨画が好きなんやとか?
色々言うてみながら、お手数やけど1枚描いて見てくれへんやろか? と聞いてみたら
「ええよ」ということで紙を用意して描いてくれることになった。
では、見せていただこう。
えらい服装まで凝ってはるやんか。写真のとおりの服装をしてはる。太極拳か武道でも始まりそう。
剣の代わりに筆をもって、さっとおもむろに型を決める。
ほんまにそんな感じ。
おもむろに筆に墨をつけて、鮮やかに一閃する。
ほんまにそんな感じ。
何をするにも型がある。
ほんまにそんな感じ。
名人芸らしく、シャラシャラシャッシャと目にも留まらぬ素早さで描いていきはる。
ほんまにそんな感じ。
何やろと思ってた筆跡がいつしか岩になり、松の樹になっていく。
素早い動きは止まらない。
どんどん筆がシャラシャラシャッシャと進んでいく。
ほんまにそんな感じ。

定番の教え通り、近景、中景、遠景の3つに別れて描き進めてる。
3景の中でもそれぞれ遠近があり、濃淡がある。
濃いのは近く、薄いのは遠くになるよう配置して遠近感と立体感をつけていく。
階段もできた。
滝や水の流れもできた。
木も整ってきた。
遠くの山は峻厳に、近くの山や川は力強く、あるいは優しく。
サッサ、サッサと描いてしまって、一休み。
と思いきや、今日はこれまでと言うことだ。
まあ、買うからって注文するんでなきゃそれもやむを得ない。
買ったら、2000元か3000元くらいらしい。3万円〜5万円弱くらいか?
プロの価格としてはちと寂しんではなかろうか?
因みに、翌日の朝もわりと早くから実演を始めてはった。
毎日、毎日、これをやるのもちと悲しいんではなかろうか?
ホテルに雇われてるんやったらしゃあないか?
わしらより、上手いか? 下手か? そんなおこがましいことよう言いまへん。
しっかり目の保養をさせていただいた。

実演販売。

中国旅行をしてると、特に何かイベントがなくても、骨董屋さんの店先やとか
レストランの片隅でとか、お土産屋さんの横でとか、いろんなところで実演販売あるいは
販売だけをしてるのを見かける事がある。
それも書や水墨画、彩色中国画が多い。さすが書画の国やと感心してしまう。
朝、街を散歩してると、バケツとホウキのようなものを持ったオッチャンが道端に
居てて、ホウキのようなものを筆代わりにしてアスファルトの道路にバケツの水で
見事な書をしたためてはるのも結構みかける。
その内容は有名な漢詩だったりして、さすが詩書文化の国やと感心したりもする。
売ってる場合は、売ってるだけにそれほど買い難い値段設定ではない。
しかし、売る人のことを考えると気の毒なような気がするけど土産物として
考えたらそう安くはないんで結構複雑な気持ちになる。
それでも結構雰囲気につられて買ったり、絵が気に入ったり値段が気に入ったりで
つい買ったりして、そういうやつが家でもかなり溜まっている。
後でみたら買わんかったらよかったと思うモンの方が多いのがおかしい。

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ありがとうございました。