武陵源の後は金山寺に行った。
金山寺は、雪舟や雪村、蕭白など沢山の水墨画家に題材にされているので
是非行ってみたかったところだ。
特に雪舟は中国を訪問し、金山寺も実際に見た後にあの画を描いたということだし、
それを、昨年、旅行前に東京国立博物館で見たので、なおさら印象深かった。
勿論、画は雪舟独特の抽象化されているので、見た実態とは違うし、
当時は長江に浮かぶ島だったという事で、河岸にある今とは趣が違うのは仕方がない。
しかし、寺というよりは城のような感じで、壮大な規模の敷地に広大な
庭園があり、建物がある。そして、山上に一際高く塔が聳えている。
風格は将に往時のままだ。
こういうものを見て、眼に焼き付けて、ああいう風に画にするのかと
考えると、感慨深いものがあった。
張イという人の詩に金山寺を謳った詩がある。
一宿金山寺 微茫水国分
僧帰夜船月 龍出暁堂雲
樹影中流見 鐘声両岸聞
因悲在城市 終中酔醺醺
長江に浮かぶ金山寺。空と水の分かちがたい渺茫とした景色。
月明かりに、雲が湧き出、鐘の音が聞こえる中、金山寺が樹影に浮かんでいる。
江天禅寺と言われる、そういう景色が目に浮かぶようだ。
それで、私も、拙いながら画の練習をしてみた。