シェリーのような日本酒

正月用にとっておいた酒がある。
特別旨いかどうかわからないけど、値段が高いのできっと旨いだろうとのせこい考えでとっておいたのだ。
伏見の古酒、月の桂、「琥珀光」とある。
月の桂というのは、「目には見えるが、手に入れ難し」という故事からきてるのだろう。
確かに美味しい。
癖がない。
香りも好いし、味わいが深い。
色もいい。透明な琥珀色が美しい。
ぬる燗か冷やして飲むと書いてあるが、常温が好い。
この酒の謳い文句にあるように上質のシェリーに似ている。
飲んでいて味が変わらないので、飲み始めたらいくらでも飲んでしまう。
いいところばかりだが、私には少し物足りない。
日本酒は大好きだが、もう少し、「酒」らしくしていたほうがいい。
「酒」を飲んでいるという気持ちになりたい。
そういう意味では、上品な飲み物を飲んでいる気がするが、「酒」とはちょっと違うかもしれない。

もしかしたら、中国のバイヂュウとか、ベトナムのルアモイとか日本の焼酎とか、最近は蒸留酒系を
飲み慣れてしまったので、醸造酒系はやわく感じてしまうのかもしれない。

しかし、日本酒でも、甘くなくベタベタしないでキレがいい酒は沢山あるので、やはり、日本酒なら
「酒」らしいのがいいなあと思ったが、これはこれでおいしいので全部飲んでしまおう。

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毎週金曜は酒や茶に関する話です。