ベトナム、ハノイ、マイチャウ、モクチャウ高原の旅−18、海の桂林、水墨画の世界。

おやおや、機嫌よう酔っ払ってるうちに景色を見るのを忘れてしまってた。というより
忘れてはないんやけど酒のせいと歳のせいで疎かになってしまってた。

せっかくやから景色をみんとあかんやんかと酒と料理をおいてデッキに出たりする。

元々そういうふうに仕組まれたクルーズやから誰も行儀悪いって怒らはらへん。
因みにここの景色は海の桂林とか水墨画の世界とか良く言われている。確かにわしは
桂林にも行ったことがあるんでようわかる。威張ってもしょうがないけど岩の形が
よく似てるんは同じような石灰岩の地帯が中国からベトナムにかけて延々と連なってる
せいやと思う。貴州省や雲南省にも似たような地形のとこが沢山ある。
しかしまあ、山や川がふんだんにあってその間に見たことないような奇妙な岩や岩山が
ピョコピョコ屹立してるんはとても変化があって面白いけど、海の中にあるとちょっと
又違う感じがする。

多分、あんまり広いとこに拡散してるんで見るのに集中できへんのとちゃうやろか?

それでしばらくしたら飽いてしまいそうになるのだ。

面白いし、美麗やけど遠近の差が大きすぎる。
多分、モーターハンググライダーみたいなんで優雅に飛んで回ったり、ドローンで
撮影した画像を見たりしたら、相当面白い画像ができるんではないかと思ったりする。

そう言えば、12年前やったかな? ここに来て、初めて見たんでえらく感激して、
その頃はちょうど水墨画を初めたばっかりの頃やったんで早速描いてみた。
えらい皆さんが褒めてくれる。(ただのお世辞)
わしって上手なんとちゃうやろか?(大きな勘違い)
ベトナムの知人にも見せた。
えらい評判が良い。(ただのビジネストーク)
ええ気になってたけど、ビジネス相手の客側やからおいしい言葉でのせてくれた
だけのことやったというのがその時には気がつかんかった。
今から思えば恥ずかしい話だ。
それから何度も「まるで水墨画みたいな風景」を見に行って、未だに、まるで水墨画のようには
描かれへんからいつまで経っても上達してへんと言うことだ。

そんなことはどうでもええけど、時々他の船とすれ違う。
欧米人のお客が多いようだ。彼らは洋上で1泊するんやろか? 洞窟も行ったんやろなあ?
欧米の人の旅は1ヶ月くらいは当たり前みたい。わしみたいにあくせくしてないんが
羨ましいと思う。わしが半日、1日で駆け抜けていくとこを彼らは1週間も2週間も
滞在して楽しんではるみたいなのだ。お金の使い方も上手だ。安い宿を上手に探して
バスや列車に乗って、美味しい街角食堂でチープに暮らすすべを知ってはる。
もちろん日本人でもそういう旅を上手にしはる人たちがいる。
話を聞いたらいつも羨ましいって思う。しかし、なぜか出来へん。
修行が足りんのか?
根気が足りんのか?

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ありがとうございました。