蘇州の生煎包

揚州、蘇州の旅は殆ど食の旅になってしまった感があったが、その話で触れなかった事が
ある。生煎包の話だ。
生煎包というのは、簡単に言えば小振りの豚まんのような包子を鉄板で焼いたものだ。
都会でも田舎でも街かどの屋台や小吃屋さんでよく見かける実に庶民的な食べ物だ。
これの焼き立てあつあつを袋に入れて貰ったり、皿に載せて貰ってふうふうしながら
食べるのがうまいのだ。
どこの何でも旨いとは限らない。
焼き方も問題だ。油を引きすぎて油、油してしまうとおいしくない。
外がかりっとして、噛んだら柔らかくて、なかから餡のおつゆがじゅるっと出るのがいい。
餡の味も問題だ。私は肉よりも野菜がいい。
日本の高菜のようなちょっと濃い目の野菜の餡が好きだ。
それと一番大事なのは皮の味だと思う。
ほどよい硬さと厚さの皮で良い味がしないといけない。
大きさも問題だ。大きすぎると食べにくい。小さすぎるのも問題だ。ちょっと小振りの
丁度好い大きさがいい。
注文が難しいが、美味しいのにあたると実に幸せだ。
それで、この揚州、蘇州の旅で、楊州から蘇州に移動したあとの昼食で美味しい蘇州料理を
食べた話をしたが、その最後に出たのが自慢の生煎包で、これが実に旨かったのだ。
大きさは、私の理想よりはちょっと大きめだったが、外がカリッで、中は柔らかくジューシー
肉の餡であったが、餡もおいしいし言う事ない味であった。しかも皮がおいしかったのだ。
これで感動していると、「中の餡が野菜のやつも別の店であるよ」
「明日食べさせてあげる」ということで、あくる日の昼食もご馳走になることになったのだ。
確かに、野菜餡の方が私には美味しかった。
最近、こういうふうな、モノが日本に上陸して話題になっていると聞いたことがあるが、
是非、こういうモノが上陸してほしいものだ。

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毎週水曜はこだわりの食べ物に関する話です。