さて、唐招提寺の周りをぐるぐる回ったけで木の間隠れに垣間見えるはずもなく
結局一周回ってしまって正面玄関に着いた。ここまで来たら入場料を払って中に入ろう。
正面から入って目の前に見える金堂の屋根がとても美しい。
建物も気品があってとてもいい。さすが、入ってすぐの右側で絵を描いてはる人たちが
いる。ええ場所やなあとはおもうけどいくらなんでもすぐに人だかりがするんで
わしらは恥ずかしい。
とりあえず、昼飯のときのビールが利いてきてるんでトイレを探す。
それから、あちこち見ながら奥に行く。
まだ紅葉が美しい。
さすがに観光客が多い。しかも団体さんが多い。
奥の方に行くといろんなとこが工事中だ。鑑真和尚のお墓とかそのあたりのお庭
なんかもちゃんと見られへんのが残念だ。
鑑真和尚の像はレプリカが公開されてる。本物は6月の特別公開の時だけだ。
この像はたしか中国でも見たことがある。楊州にある大明寺というお寺だ。
一回行ったことがある。
元々鑑真さんが日本に来るまで修行されてたお寺なんで、鑑真つながりでいえば
こちらが本家なんやけど、奈良のこの唐招提寺がいろんな変遷はありながらも
当時の面影を伝えているのに対して、大明寺の方は清代末の混乱で消失したあと
中華民国になってから全面再建されたらしい。そやからかどうか、雰囲気は似てる
ものの、やっぱり中国風であり、どこか派手さを感じさせる佇まいではあるような
気がした。
日本の唐招提寺の金堂を模したかのような鑑真記念堂があって日本から寄贈の
レプリカが飾られていた。
規模で言えば日本よりはるかに大きいし、五重塔まである大伽藍なだけに
こぢんまりと清楚な感じがする奈良の唐招提寺の方がわしは好きに思えた。
そんなことを思い出しながら、鑑真さんと反対の方に向かう。
土壁の塀がええ感じだ。
こんなとこやったらスケッチしたいなあって思ったら、案の定、先客がいて、
熱心に絵を描いてはる。
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