中国、湖南省、貴州省、少数民族の旅-30、西江千戸苗塞、少数民族の舞踊ショー。

「大きいですよ」って聞いてたけど、せいぜい大きな劇場の舞台ていどの大きさを
想像してたけど、これはスタジアム級の大きさではないか。

「どこでも空いた席に」ということやけどもうすでにええ席は殆ど埋まってる。
出入りしやすそうなとこをえらんで座ろう。
お昼前に少数民族の舞踊ショーがあるという。あんまり興味津々というわけではないけど
せっかくやから見学させていただこうということになったのだ。
開演が近づくにつれてどんどん人が増えて行く。

人が増えるにつれて喧しさも増してきて、会場の気分も盛り上がっている。
そこへ司会者が出て来た。えらいやかましい。何言うてるかわからんだけに余計
やかましく感じる。
どうも前座があるらしい。有名な書の大家がやってきてここで揮毫を実演するんで
みなさん買って下さいと言うふうなことを言ってるらしい。「表演付きオークション」
というやつだ。これもよくある。昔、北京でちょっと大きめのレストランで食事を
してたら、いきなり掛け軸のオークションが始まった。水墨画なんかやってないし
絵の値打ちもわからんころやったんで、面白半分、シャレのつもりでつい手を挙げて
しまったら、他に誰も手をあげる様子がない。まさかと真っ青になってるうちに
落ちてしまった。まあ高いもんではなかったんでシャレですんだけどそれから
何度か飯食いオークションに行き当たったことがある。
それはともかく、「表演」が始まった。

さすが巧みな手さばきでシャッシャと書いてはる。
さて、書き終わったら、オークションだ。司会者がどんどん盛り上げる。
会場からいくつも手が上がる。最終的に3人ほどが競り落とした。
えっ、数が合わへんやんか?
どうも、事前に用意したやつがあるらしい。
何枚か「表演」して、それを売ってやっと終わったら、それを買った人たちに
プレゼントがあるというおまけ付きだ。
前置きがとても長い。
やっと本番が始まった。
舞台が整えられる。

長老たちの登場。

挨拶があって、少数民族の歴史の紹介がある。長い長い話やけど、淡々と続く。
そして音楽が始まる。
踊りながら器用に笛を吹く。どうも、口パクくさい。
踊りも始まった。

若い女性たちが一斉に豪華な民族衣裳をつけてるのは壮観ではある。先ほど
モデルになってもらったお嬢さんの衣装によくにている。ハレの時にこういう衣裳を
つけるのは民族の誇りなのだというのはよくわかった。話の中で蝶々の子孫だという
伝説もなんとなくわかった。そやから頭の冠の中心にいてるのは蝶々だったのだ。

華やかなおどりではあるけど、なんとなく嘘くさいって思うのはわしの感性が鈍いん
やろか? 演出が悪いんとちゃうやろか?
見せ場作りが表に立って、伝統文化に敬意を払うような演出ではなさそうな気がしてならない。
こういう催しは、外から来た漢民族の人たち中心のビジネスを支えるものになってしまっていて
少数民族の暮らしや文化を尊重して育成するような方向では運営されてないんとちゃうやろか?
通りすがりの外国人が先入観だけでモノを言うのは的を得てないかもしれへんし、
失礼なことかもしれん。そうでないことを祈りたい。

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ありがとうございました。