高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-35、シャンボチェの丘を降る。

では、とうとうエベレストが見えたし、気分良く帰ろう。と言うても心配が無いではない。
この2日間で雪がびっしり積もってるはずだ。ふかふか雪やったら大した問題は
無いけど凍ってたら大変だ。まさか要るとは思わへんかったけど、アイゼンやストックを
持ってきてたらよかった。友人はストックを持ってきたけどわしはそんなん要らんわって
思ったのが運の尽きみたい。
特にナムチェ・バザールに降りる最後の急坂が大問題だ。
心配しても始まらんからまあともかく出発しよう。

最初は快適だ。丘の上をトラバースする道は殆ど高低差はないし、新雪を踏んで
歩くのはとても気持ちがいい。

やっと晴れたんで人が動きはじめている。

眺望がとても良い。
あれはタムセルクという山かな? ずっと見て来たはずやのになかなか名前を覚えられへん。

こっちは、コンデ・リという山らしい? この山はこれから先もずっと見ていくはずだ。

どれも素晴らしい。姿が美しい。
なんて気持ち良く歩いてるうちに見る見る霧がでてきた。

山にもあっというまに雲がかかる。

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見る見るうちに視界から消えて行く。
このロッジを曲がって、

この雪原を越して行くと、

急勾配の降り道が始まる。

下にナムチェ・バザールの村が見える。村も道も雪でびっしりだ。見ただけで恐ろしい。
登ってくる人がいてるけどしんどそう。
どうやら凍結が始まっている。やっぱりストックを持ってきたらよかったなあ。
慎重に降り始める。急坂であっても雪がなかったら特に問題があるほどではない。
こういうところは日本でもいくらでもある。しかし雪があって、所々、凍ってるから
厄介だ。氷の上でスリップせんように気にしながら歩くとかえって体が硬くなる。
そして、いくら気にしてても滑る時は滑る。ツルリと滑るとドンッと背中から
落ちるんでとても痛いし、結構体にこたえる。一度や二度ではない、何度も繰り返すと
ダメージが積もってだんだんバテてくる。
こけながら降りるんは辛いなあ。

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ありがとうございました。