江蘇省食の旅-07、鑑真の大明寺へ

一般的な揚州料理ではあったが、お腹は一杯になった。
ビールも飲んで動きたくなくなった。が、やっぱり観光しよう。
揚州に来たからには、何と言っても大明寺だろう。前回は痩西湖までは来たが、大明寺に
行けなかったのが心残りだった。それに今年は奈良遷都1300年記念の年でもある。
修復なった唐招提寺にも行ってきたではないか。
「ここから、大明寺まではすぐやで、タクシーで10分くらいや」
「暑いからタクシーで行こ」
道路から門までの参道はあっけない程短い。それでもいろんな物を売っていて面白い。
プラスチックの大きな風車みたなのを売っている。
「何にするんやろ」、占い師もいる。
「名前を聞かんでも当てたるで」とかわけのわからんことを言っていたような気が
するが、単なる聞き違いかもしれない。
寺は大きいが普通の寺だ。観光客が多い。流れについていくと目立つのは塔だ。
「えらい大きいなあ」八重の塔だ。
「一応中に入ろうか」ということで入ったが、特にこれといったものはない。
「鑑真像はこことちゃうで」
登っても登ってもしんどいだけだ。景色も飽きてきた。
「鑑真像をさがそ」
「平山堂というとこにあるそうや」
日本語の看板があちこちにあるから直ぐにわかった。
「真ん中にいてはる」
日本から贈られた鑑真和上の像だ。
「いくらか寄進して線香あげさせてもらおう」
だいたいどこのお寺でも線香を売ってたりするが、ここはそんなのはない。
「日本から来たんです。お願いします」
「しゃあないなあ、一本ずつやで」と強引に線香を頂いて、鑑真和上を拝ませて頂いた。
和上像が日本が本物、こちらがレプリカであるように、お寺も、こちらが新しいし、
鑑真の存在感が希薄だ。
後で無理に造られたものという感がつよい。日本人が強く思うほどにはこちらでは
思われたなかったのだろう。
日本にいてこちらにはいなかったのだからしょうがない。

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