江蘇省食の旅-01、上海から

写真に撮っときたいほど暑かった。
飛行機の中は冷え切って寒かったが、イミグレまでの長い長い道を歩いているうちに
確かにエアコンは効いているがきっと外は暑いだろとじわじわ予感できる気配が漂って来た。
今日はパスポートチェックの列も長い。世博の影響か1人1人のチェックが長いのだ。
終わるともう荷物は回転台の上を回っていた。
リニアの駅まではエアコン防御エリア内のはずだが温度はどんどん上がっていく。一気に
汗ばんだ。リニアの中に入っても、「ひんやり、すっきり」感はなくていらつく気分のままだ。
しかも、真昼だというのに、いつもの最高速を出さないようなのだ。310、320kmあたりの表示
のままだ。誰もカメラすら出さない。「世博の影響で安全を見てんかなあ?」一番が好きな
中国のわりにはおかしい。それでも到着時間は変わらない。420kmは瞬間の見世物なんやと
納得した。地下鉄に乗り換えるとやっと少し涼しさ感がでてきた。あいかわらず混んでいるし
中々座れないし、がさがさしてるしだが、何と言っても電話がやかましい。そんな大声で携帯に
叫ばなあかんのかいなと思うが、きっと大事な用がある人が多いのだろう。
もしかしたら、世博を見に地方からやってきたけど、もうすぐ知り合いの家に着こうというのに
相手と連絡がつかなくて焦っているのかもしれない。
あるいは、せっかく世博を見に行こうと家を出たのに、大事なチケットを家に忘れてあわてて
連絡しているのかもしれない。
くだらない事を考えているうちに駅についた。西の繁華街の真ん中だ。
ホテルまではここから歩いて20分程だ。一方通行の車道の両側に形ばかりに歩道がある。
型どおりプラタナスの並木が有るにはあるが、葉っぱが一つもない。
太陽は13時すぎだ。
アスファルトの道からは痛いほどの照り返しが来る。
「しかたがない」とぼとぼ歩こう。噂では39度くらいだと言うが、体感温度はそれを越えている。
歩いていれば前には進む。
といってもそれほど苦痛というわけではない。動けば汗で体は湿るが、湿気はむしろ多くは
なさそうだし、インドネシアやベトナムのような強烈さがあるわけでもない。
体がびっくりしただけだ。
旅をして何か気になる事を写真に撮ったりスケッチしたりするのであれば、
「こんな暑さも写真に撮っとかなあかんなあ」と思った。

taiyo100809