京都四条、「かね正」の錦糸丼

ちょうど南座の端の信号を向かい側に渡って、北に上って行く。信号がある道だが、中に入ると
広くはない。狭いわけでもない。地図を見たら簡単にわかりそうだ。すたすた歩いていたら、
「おっと通り過ぎたかな」ちょっと戻ると、
「あった」、「この奥です」と書いた看板がある。「えっ、こんなとこかいな」
「なかなかええ感じやんか」うれしくて思わずにんまりした。
「こんなとこ大好きや」路地の入口を入ると真っ暗だ。そのまま奥に進む。
ますますええ感じや。そのはずれに店があった。店まで着くと、綺麗な良い店だ。

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中に入ると3組程の客がいる。満員ではない。
カウンターが空いていたので、「ここいいですか」
さっそく、錦糸丼を頼む。錦糸卵は大好きなのでちょうどいい。
注文したら、鰻を刺した串を持って焼きに入る。だから30分は十分かかる。
だが、カウンターやから他人の分を焼いているのを見るのも楽しい。
時々裏返しながらじっくり焼いている。炭火ではないが丁寧にやいている。
その人の分が焼きあがりつつあるみたいだ。
まな板のうえに錦糸卵が「どんっ」と乗った。「えらいぎょうさんあるなあ」
鰻にタレをつけて、最後の焼きに入っている。
ごはんを丼に入れて、それに丁寧にタレをまぶして馴染ませている。
鰻のタレで食べると言うより直接ご飯にもタレをかけているのだ。
焼きあがった鰻を串から外し、ご飯に載せる。もうタレはかけない。
そして、錦糸卵をたっぷり全部載せてしまう。中が見えない。
「はい出来上がり」私のところにはこない。当たり前だ。
それを幾つか、本を読んでいるふりをしながらしっかり見送って、「つぎはわしのや」
「さあきた」
旨い。錦糸卵は味をつけすぎていなくてちょうどいい具合だ。
「味がたりないようなら」とタレを置いていったが、全く必要がない。
卵の奥の鰻は、「カリッ」としている。タレでべたべたしない。
ご飯にはしっかりタレがからまっておいしい。
一口、二口は京風に薄味のような気がしかけるが、実はそんな事はない。しっかり味は
ついている。
鰻丼というには鰻は少ないが、昼飯にはこれくらいがちょうどいい。
「今日は、ええもん食ったわ」

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店名 「かね正」
ジャンル 鰻料理
住所 京都市東山区大和大路四条上る常盤町
   (祇園郵便局北側路地西入る)
電話 075-532-5830
営業時間 昼 11時半から2時まで
     夜 5時半から10時まで
定休日 木曜と日曜日
メニュー 日本語
言語 日本語
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