前に貴州旅行の話を連載した。その最後は北京だった。その時の話で漏れていたのを
思いだした。丁度いい。
北京に深夜到着して、朝起きたら、腹が減っていた。次の日は豆乳と洋条の永和大王を
見つけてよかったのだが、この日は周りの様子がよくわからない。
王府井大街を歩きながら、「繁華街やから何かあるやろ」と探していたが、
朝早い繁華街はひっそりとしている。店は全く開いていない。
「困ったなあ」と思ううちに王府井の商店街の真っ只中まで来てしまった。
「ここまで来たら、天津包子の店があるはずやで」昔行ったことを想い出したのだ。
「あそこやったら、おいしいし、値段も高ないのでええやんか」
天津では有名な「狗不理包子」の支店だそうだ。
さすがに店は満員だ。つぎつぎに客が入ってくる。
「でも前よりは客が少ないなあ」
「店も綺麗なったで」
儲けすぎて改装したら大抵減るもんだ。
「セットがええで、粥がおかわりできる」
粥と包子がセットになっていて、粥は調理場のところにいくと大鍋から自分でよそえば
何杯でも食べれるのだ。
包子はこれが売りの有名な店だけに今でもおいしい。私は野菜の餡の包子が好きだ。
餡はジューシーだし、皮もうまい。包子は皮のうまさも重要だ。
熱い粥に茹で卵を割って入れると旨い。この昆布のようなわかめのような海藻も大好きだ。
豆腐は燻製なのでこれも変わった味だ。
セット以外の料理はレジの横にケースがあるから、「これとこれをくれっ」と指させば
いいのだ。注文のしかたも簡単なのでいい。
朝は簡単に済ますはずだったのに、つい沢山食べてしまった。
久しぶりに「狗不理包子」の店に入った。
格別という程ではないが、時にはいいものだ。
毎週水曜は食べ物に関する話です。