映画、「コロンブス 永遠の海」

前にマルコ・ポールの東方見聞録を読んだ事がある。
中国で言えば元の時代、フビライ・ハーンの時代だ。
実の面白かった。元は当時の世界帝国だ。大繁栄の時代だから、そこで見聞きしたもの
は素晴らしい文化であっただろうと思う。
多分その当時のイタリアやスペイン、ポルトガルの比ではなかったろうと思うのだ。
そこで更に東に黄金の国があると聞いた。それが日本だ。
食人の習慣があるとか結構いやな事も書かれているが、冒険家たちの夢をかきたてた
のは間違いない。
「東に行こう」冒険家は船に乗り東を目指したのだ。
インドからアジアから中国から夥しい富を持ち帰った。
大航海時代だ。
「みんな東に行くなら、西から行こうじゃないか」
そんなやつがでてきても何の不思議も無い。
そしてコロンブスの冒険が始まった。
「帆をはり、風をうけ、遥かなる時へ、船よ進め」
「コロンブスはポルトガル人だった」
我々にとってはどうでもいい事のような気がするが、全てが海への思いにつながる
ポルトガルの人にとってはそれは大事な事なのかもしれない。
実はポルトガルのこの地で生まれた。
そしてこの地で育って、この地から旅にでた。
その足跡をたどることが、その思いを満たす事なのだ。
静謐な映画だ。
静かな波の音がずっと頭の中で聞こえている。
簡単に言えば、「眠たい」という事だ。
譬えてみれば、能の舞台のような。
能も時に眠たいけど、よく考えたら奥が深いのだ。
ワキとなる二人の旅人が、コロンブスの見果てぬ夢の霊に導かれて諸国一見の
語り部となって彼の冒険の跡をめぐる。
そうしてみると、時々あらわれる剣を持った女性が彼らの旅を導くシテの役なので
あろう。

eiga100708

毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。