冬の青森、秋田、雪の文学、温泉めぐり-16、乳頭温泉「鶴の湯」に入る

さて通路を奥に進んで着替え小屋に入る。衣類棚に服をおいて裸になる。とて
も寒い。当たり前だ。そとは雪がびっしり積もってる。震えながら浴槽に向かう。
早く湯に入りたい。あせって滑ってこけたら大変だ。凍ってしまう。そろりと
湯淵の石まで行って、ちゃっちゃとかけ湯して体を洗って中に入ったら、ぬるい。
びしっと熱いのを想像してたけどぬるっとしたお湯だ。肩までしっかりお湯に
浸からへんと寒くて震える。しばらくじっとしてやっと周りを見る余裕が出て
きた。ここは混浴ではなさそうで男子ばかりが入っている。

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欧米人らしき肥った方も入ってはる。確か同じバスで来た人だ。人数は多くは
ないし、顔は寒い、体もぬるいんであんまり仲良くおしゃべりって雰囲気には
ならへん。中国人らしき人も入ってきた。やっぱり一定の距離がある。
横の着替え小屋に行く通路を観光客が通る。風呂に入りに行く人たちではなく
て写真を撮りにきた人達だ。いくら男子だけの風呂とはいえ、裸で入っている
ところだ。直接カメラを向けてないにしてもそういう風景を撮るというのは、
あんまり礼儀正しいやり方ではないと思い、不愉快だ。
わしは一生懸命この風景を覚えておいて後で絵に描こうと思う。
お湯の中からの景色はじっとして見てるとなかなかのものだ。よくある軒下や
窓際から、あるいは小さく囲った中から外が見える露天風呂ではなくて、かな
り外の雪景色と繋がった感じがして、それが湯煙を通して見れるから、中も外
もぼんやりふわふわして気持ちがいい。
ではあるが、やっぱり薄ら寒さがつのってくる。長居は無用だ。そろそろ出て
しまおう。服を着てしまえば暖かい。

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入湯時間が短すぎるんちゃうやろかと心配したけどその心配はなかった。
実際にここに長期逗留して湯治するひとってどんな風呂に入るんやろ?
このランプの宿って、昔の木賃宿みたいな風情で、雰囲気はとてもええんやけ
どこれで夜が来たらランプを鑑賞する意外に何かすることあるんやろか?

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もしかしたら暇でしゃあないかもしれん。
それでも予約で一杯なのだ。
しかし、わしらは帰らんとあかん。そろそろバスの時間でもある。表に行こう。

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殆ど誰も居てはらへん。
わしらと一緒に来た人達はどうなったんや? わしらより前に来た人達も居る
はずや。これが最終バスやのに皆さん帰らんでええのんやろか?
全員が予約してきてるはずがないと思うし?
鶴の湯の本陣以外の宿泊所やったら別のバスかなんかがあるんやろか?
腑に落ちん? ようわからんまま送迎バスに乗って、友達と2人だけで、元来た
アルパこまくさに到着。

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ここで路線バスを待つ。

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順当にバスに乗って、本日の宿、田沢湖ユースホステルを目指す。
途中の雪道で若い女性2人が手を振って乗せてくれと合図してる。運転手は仕方
ないから乗せるけど、今度からちゃんとバス停で乗るようにと注意してる。
けど相手は知らん顔、それもそのはず、中国語系の外国人だ。どこか途中のロッジ
の前みたいなとこで降りていった。
しかし、もし、この雪の中、このバスに乗れんかったらどうなってたんやろっ
て他人事ながら不思議に思う。勇気ある人達だ。

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ありがとうございました。