ネパール、古都とヒマラヤを感じる旅-46、チャングナラヤンへ着いた

(注:これは震災の直前にネパール旅行をしたときの旅行記です。一日も早い
復興を心より祈念致します。)
Telkotからチャングナラヤンへの道はほぼ一本道で間違えようがない。と言い
つつも分かれ道が全くないわけではない。時々不安になって聞くこともあるけ
ど正しい方角に進んでいるのは間違いない。先程出会ったオランダ人のご夫婦
とは随分離れてしまったようだ。
おや、桜の花が。

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そんなはずはない。
これはきっと杏の花やと思う。遠くからみるとわりと似ているのだ。

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確か、アフガニスタンかパキスタンかの山中に杏の花が咲き乱れる村があると
聞いたことがある。
それほどではないにしてもええ感じ。唐詩の世界やね。
のんびりポカポカと歩こう。

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ところでわしらは腹が減ってきた。もう歩き始めてから3時間以上経っている。
こないだのポカラのミニトレッキングの時みたいに急速にバテてくるのが心配だ。
どっかに簡単でもええからご飯屋さんがないかと目で探すけど、こんな山の中
でそんなとこはあるはずも無い。

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だんだんとぼとぼしてきた足取りを引きずって峠を上がっていくと、どうもあ
の先に見えるのがチャングナラヤンと違うやろか?

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確かにそうだ。
遙か遠くではあるがお寺のような建物が見えてきた。
風景が明らかに変わってきた。
普段、あまり見ないような植物が多いように思える。

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天気は良いし気分もいい。
峠越えというよりは、軽い尾根歩くみたいな雰囲気だ。
道沿いに村落らしきものも見えてきた。

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もしからしたらチャングナラヤン詣での門前町みたいな村落かもしれん。それ
やったら、土産モノを買うたり飯くったりするとこがあるはずや。だんだんと
心が軽くなってきた。足取りは相変わらず重いままだ。
下り斜面にそって家はたくさんあるし、人の出入りも今迄になく多い。これは
いけるという雰囲気のまま。
あれあれ、通りぎてしまった。
そこから山が変わって、上りになる。いよいよチャングナラヤンのある丘に向
かうらしい。でも。急に人家がなくなった。
そうとわかるとよけい腹がへった。

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まともな人家は遙か下にある。
けど行く気はしいへん。チャングナラヤンに着いたら飯が食えるはずだ。
もうちょっと頑張ろう。
道が錯綜してきたけど、ここまで来たら間違えへんはずや。標識らしきもんも
ある。
きっとあの先を曲がったらそこやと思う。
腹が減って力が入らん。

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ありがとうございました。