奈良平城京跡を遊ぶ

「せんとくん1dayフリーチケットってあるんやて」
「京都の地下鉄乗って、近鉄乗って、奈良まで行って、奈良ー西大寺は乗り放題や」
「大阪も同じ1300円やで、1300年祭にかけてるんやね」
「これやったら大分得やなあ」
去年、犬山に遊びに行って、中国から来た書の老師と犬山城を訪れた。
「あの老師が又日本に来てるんや。こんど京都へ来るそうや」と画の老師が言う。
「じゃあ、奈良でも案内しましょうか?」ということで、友人と画の老師、書の老師の
4人で奈良に行く事にした。
最初は「大遣唐使展」だ。天気がいいし、連休最終日だから人が多い。かなり並ぶ事を覚悟
して急ぎ足で歩く。鹿が寄って来るがかまっている暇はない。列が見えた。
「えらい少ないなあ」あと10分程で開館だから、それを待つ人の分だけの行列だ。
「ラッキーやね」
これならゆっくり見れる。
中国人の老師二人と日本人の弟子二人、見るものは違うようでもあり、同じ様でもある。
1300年前の日中交流の姿をみて喜んでいる我々は現代の日中交流者だ。
なかなかいいではないか。
ゆっくり見ていると、もう昼近い。
それで昼飯に行ったが、その話は今は省略。
ちょっと飛んで、次は、「平城京跡に行きましょう」
今は、平城京遷都1300年祭ということで奈良の街は大賑わいだ。
大極殿も復刻された。普通はこういうわざとらしい復刻モノは好きではないのだが、
中国だとこんな復刻はあたりまえだ。平城京全てを復刻しかねない。
それでやっぱり、中国人のお二人は「見たいね」と言ってくれる。
実際は、有名なところは行った事があるからしようことなしに言ってくれたのかもしれない
けど、とにかく西大寺まで行こう。
「歩いて行く? バスで行く?」西大寺からはどちらでも大差はない。
「暑いからバスにしよ」
さすが今人気の場所だ。バスも満員だ。立ち席はしょうがない。
先日放映の「大仏開眼」の影響もあるのだろう。遣唐使船も人が一杯。
「記念館見学は4時のちけっとしかないよ」というほどだ。そこからは朱雀門を通って
さらにずーと歩いて踏切を渡る。
「どれくらいあるやろ」
「500mくらいかなあ」
暑い中結構つらい。しかも踏切がしょっちゅう閉まる。順番は逆かもしれんが、史跡の
ド真ん中を結果的に幹線電車が走っている。
「さすがに大きくて立派やなあ」と老師方は喜んでくれている。
「あの天井画は方角にまつわる動物を画にしたもんですよね」というと、
「画いたのは上村敦之という日本画家だよ」と流石に老師は詳しい。
外は炎天下で太極拳やら演舞やらいろんなイベントをやっているが、さすがに見てても
暑い。
「はよ帰ってビール飲みたいなあ」
そろそろひきあげよう。

nara100530