有田焼の筆筒

おとといのブログに書いたように、有田に行った。
その時に、「今年は何を買おうかなあ」といろいろ物色していた。
なかなかバシッとくるものがない。
「まあまあかな」というものばかりだ。まあ、高いモノを物色しないからしかたないと
いえばしかたない。
そのうち、筆筒が目についた。
「あれええな」とすぐ思った。
しかし、まだ来たばかりだ。これからいろいろ回らないといけない。そのうちいいのに
巡り会うかもしれない。
「これ、とりあえずおいといて」ということで陶器市を回ってきた。
結局、これとあと1点だけ買って帰った。
「今年は少ないな」
丁度筆が3、4本入る大きさだ。最近ちょっと欲しくなっていた。
画を画く時、濡れたままで、そのままおいておくのはまずい。
しかし、いちいちぶら下げるのも面倒だ。ちょっと立てておけれたらいいなあと思って
いたところだったのだ。
「ちょうどええの買ったよ」とご機嫌だ。
気分がいいので画を画こうと思い、墨を磨った。
筆を濡らして一気に画く。
貴州に旅行に行った時、少数民族の村にいったが、その時見た牛の事を想い出したのだ。
その横の対聯もいい。
「牛が勢い良くて、豚がまるまるとしていれば、農業は盛んだ」とでもいうのだろう。
もう片方がよくわからないので、この雰囲気に合わせて陸遊を詩から書いてみた。
こういうやつだ。

晩秋の農家
我が年七十に近く
世と長く相忘る
筋力幸いに勉む可く
衰を扶けて耕桑を業とす
身 老農の間に雑わる
何ぞ能く風霜を避けんや
夜半起きて牛に飯すれば
北斗 大荒に垂る
岩波文庫、「陸遊詩選」一海知義編より

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この筆筒なかなか好い感じだ。大事にしよう。

毎週月曜はこだわりのモノの話です。