孔雀づくし
旅の最後は、「陡坡塘瀑布」というところらしい。
「まだ瀧に行くんか?」
「もうええで」
と思う事は思うけど、折角来たからには勿体ないという事もある。とにかくは行って
みよう。
「チケット売り場の門の上、見てみ」
「孔雀みたいなん、おるで」
中に入って驚いた。
「孔雀がうじゃうじゃいてる」
「綺麗やな」
孔雀が羽を広げるのは示威行動?求愛行動?唯の気まぐれ?
何かわからんけど、時々羽を一杯に広げてくれる。
しかもお尻を振るようにしながらゆっくりと一周回ってくれるのだ。
「ファッションショーみたいやね」
「優雅なもんや」
「昨夜食ったのはまさかこれとちゃうわなあ」
「まさかねえ」
しかし、これを見に来たのではない。そのまま公園を抜けて奥に進む。
又川があって、川沿いに路がある。この路を川に沿って暫く遡るのだ。
左手の河原はゆるゆるとしている。
野鴨がそこここに固まっている。良く見ると、餌箱があるので飼っているのだろう。
するとこういうのも晩飯に出て来るはずだ。
鴨の群れをすぎると、水の音が大きくなってきた。
「これは結構豪快やね」
落差は少ないが、横幅がおおきくて水量が多い。
なかなか迫力がある。しかし、あんまりゆっくりしていると帰り道でローケツ染めを
見に行く時間がなくなるのでちゃっちゃと行かねばならない。
孔雀が又羽を広げて、回っているが、さっさと車に乗って出発だ。