黄果樹大瀑布の裏を通って
瀧を見るポイントいろいろあるのだろうが、私は、竹林の間から見えた姿が中国らしくて
気に入っている。この左の陰からひょろっと仙人が出てきたら面白い。
だんだん瀧が大きくなってきた。正面から見ながら左側に周り込んでいく。
眼下に瀧壺が見える。下まで降りている人も見える。われらの行く路は、ほぼ水平に
すこしずつの上り下りを繰り返して、瀧の中に入っていっているのが見える。
表から見た景色はだんだんと飽きてきたが、裏に入ると又一興だ。
舞台で言えば、楽屋裏を見ているようで面白い。
目の前を瀧の水が「どどどどど・・・」と流れおちている。
楽屋裏だから、「どこかに仕掛けがあって、スイッチが入ると、横穴から水が噴き出すように
なっている」そんな気がしてきた。
「スイッチはどこやろ?」、「モータは?」
しかし、スイッチはない。当たり前だが。
そこから、路は急に下がってほぼ瀧壺のそばまで降りることになる。
今度は下から、大瀑布が一望できるというわけだ。
うまくパノラマコースをしつらえてある。
小さい段差の石から流れ落ちる水の流れを画にするのは実は難しいのだ。
良く見ておこう。
ここからは長閑な渓谷の景色の中をゆっくり水平に歩く。
ということは、瀧をみながら下がった分をどこかで上らないと元には戻れないという事だ。
そのまま歩いていると、「エスカレーター」という標識が見えた。
やれやれ歩いて登らんでもええんやとちょっと安心だが、
「エスカレーター?」、「ここは山の中やろ?」、「????」
と思いつつ歩いて行くと、確かにエスカレーターがあった。
高さ数階分はありそうな斜面に長大なエスカレーターを設置して、そのうえにトンネル
みたいなカバーをかぶせてあるのだ。
しかも日本製のようだ。
「こら安心やなあ」
私は関西人やから、階段の右側に立って、左側をあけている。
「誰もおらへんから、関係ないけどね」
下りもあるから、下る人もいてるんやね。