貴州の旅ー20

えっ、これ食べるの?
「晩ご飯は、7時からでいいですか?」
「10分ほど歩いたら黄果樹風景区の入り口があります。そこで集合しましょう」
ホテルの近くが明日の観光地に入り口だ。その前にレストランが沢山あって、運転手の知り合い
の店があるので連れていくという段取りのようだ。ちょっとだけ抵抗感がないではないが、まあ
ええか。
夜の風景区の入り口はそれほど賑わっているわけではない。老街があるわけではないし、ホテル
街でもない。それでも少しは観光客もいて、暗い中灯りをつけて露店も屋台も出ている。
10軒程はあろうか、食堂も一列にならんで皓皓とあかりをつけている。
そのほぼ真ん中ぐらいの店だ。テーブルが2つほどの小さな店だ。私たちが入るとそれで満員と
いう具合だ。これぐらいがちょうどいいかもしれない。
「野鳥食べる?」メニューを見始めたら、いきなり聞いてきた。
この時、頭の中は野鳥=地鶏ぐらいのイメージだ。
「うん、食べる」、「きっと普通の鶏より味が濃いやろう」
そう思いながらメニューを更に見ていると、騒がしい音がする。店員が野鳥を持ってきたのだ。
「これでいいですか?」
「????????」
まさかこんな鳥とは思わなかった。雉の一種だろうか。えらい大きい。
小さい声で、「ええよ」今更断れない。目をつぶってしまおう。

これは、燻製の豆腐と、燻製の豚肉。程良く燻製されていてとても美味しい。

「これは何?」しつこく聞いた。「竹葉菜」だという。竹の葉ではないが、似ているからそういう
のだそうだ。ホウレンソウよりは歯ごたえがあって、しかもおいしい。
病みつきになる味だ。

茸炒め。これもおいしい。

野草を卵とじにしたもの。何の野菜かわからないが、卵も味が濃くておいしい。

川魚のあんかけ。一旦からりと揚げているから、身がカリカリしておいしい。

これが例の野鳥。味が濃くてなかなか美味いといいたいところだが、格別旨いわけではない。
こんな綺麗なやつ、食って旨いはずがない。