このあたりの海に近いところは、景色は美しいんやけど人家は殆ど見えない。
津波のせいだ。
何もない景色が痛々しい。
もうこの辺には住めないのだろうか。
粉雪が舞う中、道の駅山田に着いた。
ここでバスを乗り換えて宮古まで1時間ほどだ。やっぱり座って行きたいんで
ベンチに座って順番を待つ。風が強く、粉雪が舞ってえらく寒い。
我慢しながらじっと待ってたら、後から着いたバスの運転手が、「そこは、降
車するとこやからそこに座ってても乗られへんで」と教えてくれた。乗り場は
どこかわからんし、順番待ってはる人もいてへん。来るまで待たんとしゃあな
いようなのだ。20分ほどの待ち時間、道の駅に入ったり、外をうろうろしたり、
寒いけど所在無い。ゆっくりするところもない。バスの順番も気になる。
トイレも行きたい。
じたばたしてるうちに定刻になった。
バスは時間通りやってきた。
余裕で座れた。有り難い。
ここからの道中の海岸線は更に美しい。
向こうの島に霧が立って絵のようだ。
しかし、人のすみかは痛々しい。
復興の道は遠い。
病院すら仮設ではないか。
宮古の街に近づいた。
バスは駅前に着く。
駅前はかなり賑やかなところだ。今日の宿は浄土ヶ浜パークホテル。わしらに
しては贅沢した。ここからは又バスに乗らんとあかんのやけど、バスの時間ま
で1時間弱ある。
とりあえず明日乗る三陸鉄道北リアス線の駅を確認しておこう。
それと帰りのバス停もだ。
さて、今からバスを待つよりはさっさとホテルに入って浄土ヶ浜をゆっくり見
学したいと思った。しょうがない本意ではないがタクシーを使おう。
と言うことでえらい立派なホテルに到着した。
タクシーから降りると、従業員の方がずらっと並んでお出迎えだ。
気持ちええような、恥ずかしいような。おしりがこそばゆい。
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