桜だより-02、京都、高台寺のしだれ桜

この日は京都に行った。篆刻の勉強だ。
終わった後、折角京都に来たんやし、多分今年一番の桜の見頃の日のような気
がするんで、どっかに行ってみようと思った。
と言うてもどこに行くか一生懸命調べてきたわけではない。ここの所花粉症が
きついんであんまり集中してモノを考えたりする気分ではないのだ。それでも
何か考えへんと何処にも行かんと帰らならならんことになる。ネットで検索し
たら上の方に高台寺というのがあった。ここのしだれ桜はもしかしたら絵にな
る風情があるかもしれんなあと思った。

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ちょうど西院から阪急に乗って四条河原町まで行ったら後は歩いていける。ぽ
かぽか暑いくらいの上天気やから気持ちええやろと思たらとんでもない。暑す
ぎて胸が悪くなる。汗だくになりそうになりながら八坂さんのあたりを曲がっ
た。それにしても観光客が多い。中国系の人も多いけど欧米系の人も多い。
和服の女性の殆どは観光客が体験着用で歩いてはるのだ。
これはこれでええ感じやと思う。
桜の群れの中をぞろぞろと門をくぐる。庭に入ると茶室の横を通る。

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若いカップルの男性が写真を撮りながら相手に喋ってはった。
「ここの由来はわからんのやけど、何やら老人の夫婦が仲良く楽しそうに暮ら
してたんやろなって思うわ」。
中々ええ感想やと思った。
そやけど冗談にしてはボケも突っ込みもないし、落ちもない。
知らんのは本当なんやろか。
向こうの方ではご老人のカップルが、「寧々さんが」とか「秀吉と・・」とか
話してはる。
外国の人はどんな感想なんやろ。それぞれに面白い。
靴を脱いで方丈に上がる。
ぐるっと回って石庭を見ると、巨大な垂れ桜がドンと居てはった。

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すごい存在感だ。

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しかも境内の中には、他に桜は一本もない。
実に潔い感覚だ。
靴を履いて、臥龍廊を横目に見ながら霊殿に登る。

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つまりこういう風に順路ができているのだ。是非こう行きたかったわけではない。
そこから右に回って、坂を上る。けっこうきつい。
傘亭と時雨亭を見る。

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今にも朽ちそうな、簡素な茶室と

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書院だ。

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この簡素さを見せる為にお金と知恵を一杯使ってるんやろなあって思う。
見事な美意識かも知れん。
これまた見事な竹林を見ながら出口に向かう。

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外に出たら掌美術館のチケットが付いていた。
これってマイナスオプションは無いんやろね。

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ありがとうございました。