馬玲河大峡谷へ
ご飯を食べてビールを飲んですっかり気持ちよくなってしまった。これからまだ観光があるが
殆ど、「もうどうでもええ」という気分だ。
まあしかし、せっかく来たんやからと気をとりなおして出発。馬玲河大峡谷の入り口に向かう。
天気はちょっと危なそうだが、傘が要るかどうかは微妙だ。
「まあ、ええか」と傘なしでいく。「えらい大げさな入り口やなあ」かなりの規模がありそうな
渓谷だ。「歩きは大丈夫か?」と聞いてくる。それは問題ない。
喋っているうちに横を向いたら、変な看板がある。
「おっ、これ何や?」
「プールやで」
「こんなとこでプールやるんか?」
「意味わからんなあ」
中国では時々、こういう意味不明の事に出くわす事が多い。わざわざ峡谷見物に来て、
プールに入って帰るやつがおるんやろか?、それとも峡谷を見たら泳ぎたくなる人が多いんで
危ないから、こっちへ入るよう誘導するために造ったんやろか?
変な想像が膨らむばかりだ。
チケット販売が朝の8時から夜10時まで、遊泳時間が朝の8時から夜12時迄と書いてある。
「信じられへんなあ」
それで潰れたのか、今はたまたま渇水期で水がないから営業を休んでいるのかわからない。
ガイドに、「これ何?」と聞いても、変な顔をされて無視されただけだった。
そんな事はどうでもいいから先に行こう。
入り口から怪しいトンネルに入って、トンネルのまま河を渡ってしまう。
そこから出ると直ぐに渓谷だ。
やっぱり水か少ないから河水は遥か下に見える。
川底から狭い谷を切りあがって両側が崖のようになっている。その崖の中腹に沿って道が
造られている。谷をずっと遡って歩いて行くのだ。
それでも、上り下りは結構多い。「歩くのは大丈夫か?」と聞くはずだ。
崖は岩山になっているが、カルスト台地の土地柄か浸食され易いと言った感じだ。
普段は水が多いので、崖のあちこちから小さな滝になって水が流れ落ちているのだそうだ。
一面の緑の中を歩いていると時々鳥の声が聞こえる。
ちょっとしんどいけど長閑な良い散歩だ。