和歌山の住宅街でもない商店街でもない、なんもない田畑のど真ん中に、年に
13回だけ営業するラーメン屋さんがあると聞いた。
聞いただけでぞくぞくする。要するに農閑期で比較的手がすく2月~4月の日曜
だけ営業するという話らしい。
しかし、今年は営業してるんやろか? 行っても食べれるんやろか?
行きたい気持ちは強いけど無駄足になるんちゃうやろかと言う不安もつのる。
それで思い切って電話してみた。
確かに今年も営業してるらしい。開店は11時からだ。しかし、11時にはほぼ、
売り切れ状態になるらしい。この意味がようわからん。整理券出してるんやろ
か?
100人でスープ切れ、営業終了になるらしい。
何やわからんからとにかく行ってみよう。
それで2月のある日、満を持して行ってみた。
さて、このままやと9時半頃着きそうや。いくらなんでも早いんちゃうやろか?
いやいやこれでも遅いかもしれん? いろいろ悩ましい。
着いたらこんなとこ。
むむっまさに倉庫だ。
この中で食うことになるんか?
それでお客さんは? 行列は?
こんな具合。
遠くには和泉山脈が見える。あの山の上って四郷の干し柿の里なんかなあ?
田園農業地帯の真っ只中だ。
わしらでざくっと50番目くらい。待ってる間に整理券を配り始めた。
これがあってもどっかへ行ったら又最後に並んでもらうという事だ。要するに
ラーメンを食える100人を決める為だけのものだ。順番すら書いてない。
後はひたすら待つだけだ。
それにしても寒い。風がピューピュー吹いている。
しばらくしたらどっかのテレビが取材に来た。テレビに映りたく無い人は言っ
てくれって言うてる。まあ、テレビネタには絶好やろねえ。
周りの雑談を聞いていたら、遠くから来てる人も多いみたいだ。
果てしなく待ってるようでもいつか時間がきて、店があいた。数人ずつ呼ばれ
て倉庫の中に入っていく。前の人が食い終わらんと次が入れない。
席をシフトしながら順番を待つ。
この看板が見えたら、もうすぐだ。
11時半ころやっと中へ。
中はこんな感じ妖しいなあ。でもええ感じや。
あの中でラーメンを作ってはるみたい。
ここまで来たら、味がどおとか言う事態は通り越してる。
やっと口に入るというただただ達成感が先にたつのだ。
ここでも3人分くらいしか同時には出来へん見たいやから大分待つ。
15分ほどまってやっと来た。
これがそうか!
とりあえず感動する。
さてお味はどやろ?
おいしい。
和歌山ラーメンの王道の味だ。醤油系の豚骨で、超濃厚でもないけど、あっさり
でもない。麺も細めで井出に似てるかな?
つるんと喉越しがいい。ネギもなるともシナチクもチャーシューもお約束通りだ。
特別うまい、滅茶苦茶旨いと言うわけではないけど、なかなかおいしい。
待った分に見合うかと言われると、ちょっと苦しいような気もする。
それより、この店もなんもない農業地帯の真っ只中の秘境でラーメンを頂いた
という達成感を有り難いと思おう。
ご馳走さんでした。
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ありがとうございました。