熊野古道歩きをしていてつくづく思った事がある。
それは体を軽くしないといけないという事とできたら風のように歩く方法を見つけるということだ。
体を軽くするのは時間がかかるがそれはそれでがんばろう。歩く方法だが、友人が、
「『なんば歩き』というのがあるで」と教えてくれた。日本古来からある歩き方で、古武道や飛脚
歩きに使われていたそうだ。「それおもろそうやなあ」ということでいろいろ調べて、自分でもやれる
方法がありそうなので日々のウォーキングから実践し始めている。それがなかなかいいのだ。
それで、他の所も歩きたくなった。「それなら画を習いに京都に行く時にやってみよう」と思い立った。
その話は明日することにして、まずは腹ごしらえからしないといけない。
京阪、清水五条を降りる。五条通りの北側に出て、東に進む。百メートルほど行くと、左手に
「佐乃竹」という看板が見える。「??」入り口に準備中と書いてある。確か11:00開店と聞いたけど、
これで引きさがるのも面白くない。強引に中に入る。「まだ、ですか?」と聞くと、やさしそうな
おじさんがでてきて、「中で待ってくれはったらいいですよ。じき始めます」と言ってくれた。
「何時開店なんですか?」と聞くと、「まあ11時半頃ってことにしてるんですが・・・」お客さん次第
のようだ。
「先に注文聞いときますが・・」、「中華そばと小ご飯下さい」スポーツ新聞とかを持ってきてくれようと
したが、本を取り出して読み始めたので無理強いはしない。テレビをつけてくれた。
客にべたべた愛想よくするわけではないし、気取っているわけでもない。これくらいの距離がいい。
店内はあやしさに満ちている。といっても何か変なモノがあるわけではなくてただ古い物が雑然とおいて
あるだけなのだが、それがとりとめがなさそうでありながらバランスもとれていそうで当然のように
そこにある具合を妖しいと言ってしまっただけなのだ。
簡単に言えば昔からやっている食堂を大事に使っているだけだ。
「こういうのは落ち着いてええなあ」
「中華そば」はあっさりして非常に美味い。和風ラーメンといってもいいくらいだ。それでいて薄すぎない
味はしっかりしている。ねぎとチャーシューが味を引き立てている。おじさんが持ってきてくれた胡椒を
かけると俄然味が引き立つのだ。麺は細麺で今風の腰の強さを際立たせているのではないが、ゆるゆるでも
ない。メニューに「にゅうめん」といのもあったが、これなら「にゅうめん」も美味いのだろう。
あじつけはそういう方向付けの味だ。
背中の方で後から入ってきた私より若干お年を召したご夫婦が注文している。
「わしはきつねうどんや」
「私はカレーうどん」
老人の世界でも、女性は元気で肉食系、男性はしぼんで草食系になっていくのだ。
12時近くなると地元の常連さんがどんどん入ってくる。殆ど人が、中華そばかカレーうどんだ。
選択は正しかった。
実は、本当はこの店は二度目なのだ。2週間程前に来て、食べたことがある。
その時は、ここのB級度の感じのよさに勇みたって、
「この葉どんぶりときつねうどん」両方頼んでしまった。
いくらなんでもこれは多すぎた。多すぎるだけではなくて、両方の味がかぶさって、味が濃すぎるのだ。
辟易しながらやっと食べた。
「まずいんかなあ?」と一瞬思ったが、これは食べ方が悪かったのだろう。
「いっこだけにしといたらよかった」
このまま、「おいしくない店」と思ってしまうのは残念に思ったので再度挑戦したのだ。
やっぱり百年続く昔から、いつもの人達にいつもの味を提供し続けているごく普通の食べ物というのは
「さあ、食うぞ」と構えるところがなくて自然に口に運んで、それがなつかしく、口に優しいから
忘れ難くなるのだ。
店をでて左を見たら遠くに東山が見えた。
清水寺はすぐそこだ。
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店名 「佐乃竹」
ジャンル 和食
住所 京都市東山区五条橋東2-34
電話 075-561-7353
営業時間 11:30~22:00
定休日 2,7,12,17,22,27日
メニュー 日本語
言語 日本語