もうすぐ陽が落ちようとしている。西湖の美しい柳のかげに陽が落ちていく。
毎日この時刻が西湖でも一番美しい時だと思う。
誰もが、息をひそめてこの時を見つめている。
と思いきや、なんのその。湖を巡る遊歩道の上で、演芸大会が繰り広げられて
いるのだ。ローカル劇の一場面のような、歌謡曲のような、いかにも中国の古典
的でかつローカル色の感じられるような歌を熱唱してはるのだ。
それをとりまいて、ミュージシャンも見物客も熱が入っている。
この辺はいつも何かやってはる。
普通のカラオケ大会みたいなときもあるし、ダンス大会みたいなときもあるし、
剣劇の演舞場になってるときもある。とにかく中国の人はこういう街角エンタ
ティメントが大好きみたいだ。ここに限らず、都会、田舎に限らず、ちょっと
した人の集まるところ、ちょっとした広い場所があればすぐにエンタテナーが
登場する。
実におもしろい。
こういうのは、公安の取り締まりなんかないんやろか?
西湖は中国の有名な景勝地だ。詩人、蘇東波が伝説の美女西施に擬えて西子湖
と呼んだのが名前の由来という。そやから水墨画の賛には西子湖と書く人も多い。
古今の画家の多くはこの西湖を画題に絵を描いている。
その為かどうか、西湖十景というのがあるのだそうだ。西湖の周りで、季節に
あった絶景が現れるポイントに名をつけたということ。
「蘇堤春暁」「曲院風荷」「平湖秋月」「柳浪聞鶯」「断橋残雪」「花港観魚」
「双峰挿雲」「南屏晩鐘」「三潭印月」「雷峰夕照」
というやつだ。
昼飯の後、もう一回河坊街に行って、篆刻石のあやしい店を見に行ったり、お
土産を買ったりして、陽が暮れそうになったので、急いで夕陽を見に来たのだ。
このあたりは十景で言えば、「柳浪聞鶯」の外れにあたる。
しかし、柳はとても綺麗だ。湖と沈む太陽によく似合ってる。
芥川龍之介も乗ったことがあるそうやけど、湖上には観光船が沢山でていて、
これも風情を添えている。
これは船単位で料金が決まってる(80元くらい?)んで沢山で乗った方が徳
なんやけど、10人は無理やし、時間もあんまりない。
今度、時間があるときに皆さんを案内したいものだ。
こうしている間にもどんどん陽が沈んでいく。あの仏塔は西湖の名物で、西湖
を絵にする画家はシンボルとしてあれを入れる。
蓮はもう枯れているけど、6月、7月の盛りの頃にくると、それは見事な蓮の花
の景色が見られる。
今回はあまり時間がなくて、杭州、西湖の風景を一緒に来たみなさんに堪能し
てもらえないのが残念だ。
又、再度来んとあかんね。
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ありがとうございました。