「もう梅を見るのは遅いかも知れんなあ」
「でも今年は寒いからまだいけるかもしれん」
かすかな期待を持って、「寿長生の郷」という所に行った。3月の後半の頃の話だ。
琵琶湖の南、石山寺の近く、勢田川を東に渡ったちょっとだけ山の中にある。
叶匠寿庵という和菓子の老舗が経営している山荘のようなところで自前の大梅林が有名だ。
最近たよりっぱなしのナビで行くと、渋滞もなく簡単に着いてしまった。
駐車場で車を降りるといきなり梅林がある。
さすがに梅は盛りをかなり過ぎているが、それでも花はかなり残っている。
これならまだ奥の方が楽しみだ。
上に登って行くと、本宅がある。鄙びた書院風に作っていて、茶室もある。
もちろん高級和菓子を売っている。
折角やから茶室で茶を飲もう。
予約をした。高級そうな、気取ってそうなところやから私のようながさつなモノは
似合わないのはわかっているが金さえ払えば茶は飲める。
「正式のお手前にしますか?」、「略式がいいですか?」
そりゃもう正式にやってもらおう。作法は知らんけど、それはええんやろ。
「ちゃんと正座が続くかな?」こっちはかなり心配だ。
座敷は初春のしつらえだ。床の間の軸も生花も初春を謳っている。
足はしびれてきたがものごとはゆっくり進んで行く。
お菓子は黄粉餅のようなちょっと大ぶりの菓子だ。いつもなら一口でパクっといくが
分けて食べる。ゆっくりゆっくり時間をかけて、お茶碗を準備して、抹茶を入れて、
お湯を入れて茶をたててくれる。
足は痺れてくるが、ちょっと気持ちを落ち着けて作法を見ているとなかなか美しいものだ。
中国の茶芸とは全く違う精神性がある。
茶室と床の間と庭で作られたもてなしの空間の中に、茶をたてながら緊張感がつくれられていく。
時にはこういう空気にふれるのもいいものだ。
「お味はどうでした?」
「おいしかったです」ちょっと薄かったけどね。
梅林の梅ももう殆ど散りぎわであった。
ミツバチの巣をところどころにおいてあったのは、受粉の為かな?
寿長生の郷
- 2010年4月10日
- 近畿地方
- 2人
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中国茶の勉強