雲南省、元陽、建水の旅-16 棚田の朝ご飯
「どうしたの、全部あげてしまうの?」
友人が朝食の弁当箱を少数民族の女の子に差し出している。
ホテルが早朝発の我々に準備した朝食で、菓子パンとミルク だ。
「私は、あの娘から卵を買ったからもういいのです」と言っている。
「あの娘達は極端に貧しいので、こういうのを殆ど食べられないので す。
「俺は食うぞ」
と言って、食べかけたが、手をさしだしてくる娘達をみていると
とても食べられない。私も卵を買って、弁当を全 部もらってもらうことにした。
ゆで卵は味が濃くておいしい。新鮮だ。これ二つあれば朝食としては十分だ。
この展望台は良く整備されてい る。トイレも綺麗だ。
外国人の観光客を意識しているのだろう。売店もない。
わ ずらわしい観光設備は全くないので、本当に好感が持てる。
だか ら、観光客が金を落とす場所もないのだ。
それで、卵を茹でて売ったりするのが細々とした収入源のだろう。
聞いていると凄まじく貧しいのだ そうだ。
昨日の事もあるし、今までの経験でも、モノを売りにきたり、
物乞いをしにきたりする人の中にはそれをビジネスにしている人も
いると言うのが多かったので あまりいい感じはしていなかった。
しかし、今日はちょっと考えてしまった。
こんなに綺麗に整備して、しかも、あまり観光化しないで提供し てくれる
のならもっと何かで還元してもらっていいと思う。
ちょっと、切ないなあ。