雲南省、元陽、建水の旅-13 元陽で飲もう
乾杯!
乾杯!
酒は、麦のバイヂュウだそうだ。強くて癖がある。しかし、なかなか旨い。
「今日は実にうれしい。気持ちがいいです」と言うと、
「私は、貴方のこんな風にお酒を飲めて感動しています」と運転手が言う。
それから、中国の文化の話になった。彼は書をやっているようだ。
有名な書家の話になった。
「それは王義之だろう」、「知っているんですか?」、「有名ですよ」
画家の話になった。「范征?」、「その人は知らない」
「日本人とこんな話でできるとは思わなかった」
「実を言うとちょっと怖かったんですよ」
・・・・食事前にこんな事があったのだ。
なんとなくもやもやしたまま、ホテルへチェックインに向かう。
この日の予定も終了だ。ホテルは老元陽の村の中、山の上だ。
古い村だが結構賑やかなところだ。
それで、「夕食はどうします?」、
「外で食べますか、ホテルのレストランにしますか?」
「外は、衛生面で問題あるかもしれませんが」と言ってくる。
そう聞くと、「外で食べる」とは言い難い。まあ、ちょっと見た感じ
でも外のレストランは問題ありそうだ。
「中でいいよ」、
「一緒に食事しよう」というと、「私たちは、別でいいですから」
と言う。先ほどのことをかなり気にしているらしいのと、
「旅行会社のガイドや運転手はいつも馴染みの土産物屋に行ったり、
レストランに行ったりしてリベートを稼いでいる」と思われたくない
ようで、そうではないとしきりに言っている。
それでも、強引に誘うと、「私がおごります」と言う。
私は、「私が年長だから、顔を潰さないで欲しい」と言うと、やっと
従った。
だから、食事が始まったら、すぐにバイヂュウを頼んで酔っ払うことに
した。彼もだんだん打ち解けて来た。
最近、中国では、よく日中戦争の頃の映画をやっているが、その中で
残酷な事をする日本人がでてくるので、日本人は怖いというイメージが
あったようだ。
そういうイメージが少し払拭できたようで、よかった。