タイ、カンボジア、アジアの原風景と街角に触れる旅ー30、水村の少女たち

おっとガイドさん。ちょっと車停めてくれへんか。
小雨模様のそらがやや晴れてきて見通しがいい。遺跡をすぎると何もない荒涼
としたあたりを車は疾駆していたが椰子の林に囲まれた畑や田圃が見え始めた。
やがて湿地帯にやってきた。
水田があるようなないような。
人が住んでるようないないような。
そういうあたりだ。何かアジアの原風景に出会えるような予感がする。
それで車を停めてって叫んだのだ。

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目の前には素晴らしい光景が広がっている。

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まずいいのは子供達が楽しそうにしていることだ。ほんとに楽しいかどうかは
わからんけど、学校がえり(帰るには朝早いし? 行くには遅い。では何や?)
のような子たちもいるし、お使いに行く途中みたいな子たちもいる(学校は?)。

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川遊びしてるような子たちもいる(学校は?)
遠くには牛もいる。
長閑やなあ。
それぞれが楽しそうやけど、この時間、学校に行ってないんやろか?
聞くと、このあたりにはまだ電気が引かれてないんやそうや。
殆どの家が高床式だ。平床やと寝てる時に虫や動物が入って来るんやそや。

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つい最近行ったタイ、チェンマイにも高床式の家があったりしたけど、こっち
には生活の緊迫感があるような気がする。
沁み入るような緑がたっぷりの水分に潤った果てしない豊穣があるかのように
は見えるんやけど、やっぱり貧しさが伝わってくる。
何が豊かで何が貧しいと簡単には言われへんし、ましてとおりすがりのわしら
が物知り顔に何かを言うのは失礼なんやけど。
あまりの美しさが哀しかった。

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こういうところで1泊かなんかしてスケッチ三昧してたら楽しいやろなあ。
なんて瞬間的には思うけど無理なんやろなあ。
カンボジアの風景には子供が良く似合う。


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