来た時からたちこめていた分厚い雲の間に少し緩みができてきたようだ。もう
少し我慢したら見えるかも知れない。左側の白い頂がもうはっきり見えて来た。
そのずっと右に三角形の独立峰が見えようとしてもう少し、雲が散るのをぢり
ぢりしながら待っているのが、カンチェン・ジェンガという山だ。
世界第３位、神々の座だ。
見えた。
わずか5分ほどの間やけど雲間にちらりと白銀の姿を見せてくれた。
一番奥、右端の白い尖った山がカンチェン・ジェンガだ。
これがヒマラヤなんか？ 8000mの山なんか？ と息を呑む思いだ。
神聖な気分があたりを包む。
朝4時半出発と聞いた時はぎくっとなったが、日の出を見に行くんやと気がつ
いた。そんなら早起きは当然の事だ。若干眠いが車で小一時間ほどの丘の上の
展望台を目指す。
まだ朝霧が立ち込めている。
最初はこの写真の奥のシルエットになっているところがヒマラヤ山脈かと思っ
たけど違うのだ。まだ奥に見えるのだそうだ。
だんだん夜が明けてきたけど雲が立ち込めたままだ。もうあかんかなと思いつ
つ、もしかしたら朝の霧はきまぐれやからちょっとでも晴れるかもしれんと期
待しつつ待っていたのだ。ここはもう標高2000m近いと思う。結構寒い。
しばらくすると又霧が立ち込めて来たんでもう諦めて帰ることにする。
軍の施設があるんやろか若い軍人さんたちの一団を見かけた。ここは国境地帯だ。
薄暗い中を上ってきた道を引き返す。
中々姿のいい瀧があった。
ラマ教の旗が翻っている。男が一人、何か本を読んでる。
お経？ 俗な小説？ わからん。
修行してる？
こんな時間に？こんなとこで？
あずま屋もええ感じだ。
山に貼り付いた村。それでも沢山家があって、沢山人が住んでいる。こんな奥
地でも。
ホテルに帰って朝飯を食おう。
より大きな地図で ガントク郊外の展望台付近 を表示
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ありがとうございました。
