さて、美術学院の画の勉強にやってきてもう大分経つ。本来の画の勉強はどないなってんやと言う
ことを少し報告しよう。
この学校は半年コースを年2回やっているようだ。カリキュラムは殆ど同じだと言う。
私は4月に来たから、後期の途中参加ということになるが、私の狙いは山水画なので4、5月の山水画
に丁度合わせて来た様なかたちになった。知らなかったのでえらいラッキーだった。
他は、没骨花鳥画、工筆花鳥画と人物画がある。と言っても山水画が一番長いので私にはうれしい。
それでいつも何をしているかというと、ひたすら、臨模と言って、古人の画を模写するのだ。それぞれの
レベルに応じた画を先生が選んでくれる。
私の場合は沈周と言って、明の時代の人だが、元の時代の画法をよしとして文人的な高雅であるが枯れた
画を描いてきた人だ。
それで午前中は先生がいて、順番に回ってきて、至らぬ点を指摘して、その部分の見本を描いてくれる。
おおきなやつを描いていたらその時点で最初に戻ってしまうがそれはそれでしようがない。
結構いままで適当に描いてきた、細かいところでも、絶対おろそかにしてはいけないのだ。
どんな小さなところにも変化がある。大小、高低、濃淡、粗密、ばらつき、自然の世界にあるはずの
変化やゆらぎを注意深く描ききらないといけないのだ。
いままで適当にやってきたことが、一気にぼろぼろになる。
これはいい勉強だ。
私の感覚では、ここで何か一から描き方を習う、新しい手法を習得する、そういうことも無いではないが、
1つの画を完成するのにどれほどの神経をつかって、どれほどの手間をかけないといけないかということを
しっかり教えられている問い言う気がする。
基本的には毎日、毎日おんなじことやけど、時間がすぎれば、ひとつの画が仕上がっていた。
うれしいね。
では次に挑戦しよう。
時には、画仙紙についての講義がある。どんな時代のどんな画にどんな紙が使われていた。
それはどんな特徴があるのか。
紙にも実に多くの種類がある。これはいい勉強だ。
山水画の歴史の講義もあった。
この学校は特に宋、元の時代の画に重点をおいているようだ。この時代の画がレベルとしては一番高いと
評価しているのだそうだ。
そんな話の中で、美術の世界には二つの大きな山があって、ひとつは西洋画でひとつは中国がだと言う人がいた
とかなんとか説明しているのを聞いて、ちょっとむかついた。山は二つやないで。
私のクラスには各国から留学生が集まっている。フランスやスペイン、オーストリアや香港、シンガポール、インド、
韓国、アメリカ、日本、実に多彩だ。
私のようにリタイアして第2の人生の課題をみつけに来ている人もいるし、若い人たちも勿論いる。
どこから情報を仕入れたのか、皆さん実に積極的だ。
ここでは水墨画だけではなくて、洋画や彫刻いろんな美術の分野がある。それに中国語のコースもある。
だから学校全体で外国人がうようよしていて実に活気がある。
日本の若者もいるが、日本といる国のポジションからして多いというほどではないと思う。
私もそうだったが、日本の若者は、海外にでて何かしらの経験をつもういう志がわりと低いのではないかと思う。
いま少し元気がない日本で、やっぱり若者が元気をだして、此処とは言わない、中国とも言わないけど、海外なんか
へともおもわず、世界中どんなとこでもやってやろうと乗り出していく若者が増えてほしいものだと切に思う。
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ありがとうございました。