台北と台南の「美味いもん食い」が一緒になったら面白い。
台北人は、「台南の料理は甘いからねえ」というし、台南人は、「台北の人は
美味しいもん知らへんのやわ」と言う。食べる話をしはじめるとどんどんエスカレート
するし、お互いに譲らないところがあるのが面白い。
食いもんにこだわり心の強い関西人にとってはとってもよくわかるシチュエーションだ。
それで、今回の晩飯は、台南の「美味いもん食い」がええとこに案内してくれるのだ。
車に乗せて貰って、裏通りをスイスイ、あるいはグイグイ走る。
近づくにつれて、だんだん街の感じがおいしそうになっていくのが不思議だ。
かなり走ったかなと思うが、後でGPSトラッカーのデータで場所を確認してみたら、つい
さっきまでうろうろしていた神農街のすぐ近くではないか。だからどうということは
ないが不思議なものだ。
店は入り口に大きなビニールのカーテンが下がっていて中国風だ。窓は大きなガラス戸
で店全体が外から一望できてオープンな感じがする。キッチンもオープンだ料理に自信あり
と見た。
入り口横では、炭火なのかガスなのか見損ねたが、大きな焼台があって、焼き物を
焼く煙があがっている。
こういう匂いは日本でもどこでも食欲をそそる風景である。
そう言えば、炭って台湾や中国にあったやろか?
白居易に、「売炭翁」と言う貧しい炭焼じいさんの詩があるから炭は昔からあるはずだ。
しかし、備長炭はないやろ。
陸遊には「売花翁」という飲んだくれ爺さんが出て来る。日本にも「売茶翁」という
風流な爺さんがいるぞ。わしも何か売りたい。
下らない事を考えている間に、料理ができた。
烏賊のすり身の天ぷら、これはおいしい。あつあつでほくほくして歯触りもいい。
ビールのあてに抜群だ。いやあほんまにうまい!
次は田鰻だ。中国蘇州でも名物という田鰻料理を食ったが、あちらのは柔らかくてにゅるにゅる
してそれはそれでおいしかったが、こちらのはしこしこしている。
香菜も良い香りがしておいしい。
苦瓜の炒め物。びりっとした苦さが食欲をそそる。
あさりも来た。
良い出汁がでている。
どうしてこんなにおいしいもんばかり出てくるんやろ。
炒飯。米が重くない。ふわっとしてもちろんおいしい。
鶏肉。おいしい。
豚肉。おいしい。
どれもおいしいがだんだんお腹が満腹になってきた。
それにそとは風がビュービュー吹いて、厚いビニールカーテンの隙間からも風が入って来て
寒くなって来た。
紹興酒、燗して飲みたいなと言うと、この店には置いてないからと近くで買ってきてくれた。
持ち込みアリで全然気にしないのもおおらかでいい。燗はしてくれなかったけど。
それで、これが珍味。
「ボラの腸?」らしい。おいしいが不思議な味だ。生まれて初めて食った。
こりこりとしゃきしゃきの間くらいの食感で、本体の味はあまりしない。
食感で食わせる珍味のようだ。ダイナミックにばくばく食べると実においしい。
まだ、蟹も来るんかいな。おいしいけど、お腹が満タンだ。
最後は野菜。
バランスを考えてこれもしっかり食べとこう。
空芯菜かなちょっと違うようやけど。
「知味」と店名についているだけあって、美味しい店であった。
「やっぱり台湾の人達は『美味いもん食べ』の天才やわ」と改めて思った。
店名 「知味」
ジャンル 台湾料理(炭火焼料理?)
住所 台南市民権路三段240号(協進国小傍)
電話 06-2220395
営業時間 17:00-24:00
定休日 不明
メニュー 台湾語(中国語)
言語 台湾語(中国語)
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