渡り終えると一気に気持ちの良い下りが待っている。
調子に乗ってスピードを出し過ぎると弾き飛ばされてしまう。
楽な時間は多くはない。ブレーキをしめながらも楽さをかみしめておりよう。
地図や道路の高低表を見ながら、この旅でもしバテてリタイヤするとしたら、きっと
最初のところだと思っていたが。走ってみると意外に行けそうではないかと思い始めた。
「こんにちは」すれ違う人や追い越して行く人達と挨拶を交わす余裕さえでてきたのだ。
と言っても追い越すことはない。
来島大橋を一気に下ると大島の平坦な内陸部を走る。
起伏は殆どなく距離は長いが楽勝だ。
と思っていたら峠の登りにさしかかった。ギアを一番低くしても上りつづけるのは
きつい。曇りがちながらも天気は晴れで気温はあがるばかりだ。
人とすれ違っても、挨拶する声は小さい。
元気な方の友人はすいすいっと先に行ってしまった。
苦しんだ後には楽しみがある。
しばらくあえいだら一気の下りが待っていた。
その先には海辺が見える。
海岸線を走るのは気持ちが良い。
「このあたりは村上水軍の本拠地らしいなあ」向かいに見えるのは能島だろう。
古城の跡があるらしい。
さて道は又少し登って伯方・大島大橋を越える。
この辺の海峡の眺めは素晴らしい。
大小の島々が複雑に並んで、その間を早い潮の流れが通っているという場所なの
だが、見た目には唯穏やかさだけがある。
海賊達には絶好の活躍の場であったのだろう。
橋を越えると伯方島だ。考えて見ると結構走っている。
友人から電話が入った。もうかなり近くまで来て待機してくれているようだ。
まだ大丈夫だがこれがあるから安心なのだ。次の大三島で落ち合って昼飯に
することにした。
伯方島の道の駅でトイレに行ってもう一頑張りしよう。
と、余裕を持って振り向いたら誰もいない。
ありゃあ、電話してるあいだに友達がどっかに消えてしまった。
駐車場あたりをうろうろしていると、私を呼ぶ声が聞こえる。
声はすれども姿は見えず。「あっ、おった」駐車場のずっと向こうにトイレがあったのだ。
大三島までは後、向こうに見える橋一つだ。
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