しまなみ海道・瀬戸内の旅ー03、来島海峡大橋から大島へ

さて表に出て、バイクを借りよう。
「クロスバイクがええで」毎日のように自転車に乗りまくっているらしい友人が言う。
「わけわからんから何でもええわ」去年はサドルが変な具合に固定されてしまっていたから
えらい尻が痛かった。それだけチェックしたら後はよくわからない。
自転車借り賃500円、補償金1000円(乗り捨てたら帰ってこない)、
通行料チケットセット券で250円。
お金はそれなりに準備できているが、体力と気力が中々準備できていない。
朝の日差しはちょっとましだが、暑さは十分ある。
気力はなくても脚を踏んだら、自転車は前に進む。
「ここからあの橋の上まで行くんかいな」上を見たら恐ろしい。ゆっくり一歩ずつ
踏み込んで上っていこう。
「ギアを一番緩くしてゆっくり登ったら疲れへんのやで」
友人はそういうが疲れるものは疲れるのだ。
いつもはママチャリリやから、それでもギアがあると楽だ。
いきなりの登りだが、だんだんと走っていてわかってきた。
ゆっくりゆっくり登るから意外と楽なのだ。
素人考えではあるが、このコースは非常によく考えて作られているように思う。
平地から橋の上まで行く急な落差は、何重にもループを描くようにして、ゆっくりとした
勾配を保ちながら上に登れるようになっている。
だから私達のような素人でもあまり喘がなくても登れるように設計されているのだ。
「一歩一歩、ゆっくりゆっくり」
「それでもしんどいわい!」
今回は旅の荷物を全部背中に背負っているのだ。
背中が重い。
暑いから喘ぎ喘ぎ登って行く。

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上に着いたら絶景が待っていた。
昔から来島海峡は海上交通の難所だったと聞く。
それをずっと見下ろしていると風がさあっと吹いて気持ちがいい。
船がゆっくりと渡っている。
車だと橋の途中で止まることはできないが、自転車は自由に止めて景色を楽しむことが
できる。
それにしてもこの橋は美しい。支柱と支柱を結ぶワイヤーから等間隔に平行に降りる縦の
線が並んでいる様は遠くから見ると実に優美なのだが、目の前で見るとまた違った美しさ
に見える。
橋を見ながらの旅はいいものだ。

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ありがとうございました。