早いもので、今日はもう最後の日だ。午後はオプションの聖徳太子御廟と叡福寺参拝が
ある。こんだけ暑いと大変そう。がんばろう。
第8講 建築からみる斑鳩の寺々
元奈良国立文化財研究所長の話
さて建築屋さんの登場だ。
百済人がもたらした技術によって日本にも瓦ぶきの長持ちのする建築物が出来始めたのが
紀元600年くらいからなのだそうだ。日本に残る24の木塔の全てが奈良県にあるという。
中国で一番古いのが残っているのが、前に行ったことがある山西省大同の木塔だそうだ。
780年くらいのものだという。
それで、法隆寺と法起寺が世界最古の木造建築ということで世界遺産になったのか。
金堂と塔が並行にならぶ法隆寺の様式は、この時代の形式として共通するのだそうだ。
法隆寺、法起寺、法輪寺、四天王寺などだ。
そして様々な共通点があるのだそうだ。
技術的に成熟していない時代だから、屋根を支える構造が複雑にはできないので、それを
補う為に、端の部屋を小さくしているとか、太い柱を使っているとかである。
その為柱がギリシャ伝来のエンタシスの形をしているのだ。
「詳しく言うとどこかどうなっているか・・・」
詳細だが退屈しない。そして「愚子見記」と言った古来からの宮大工の家に残る文献や
発掘調査の基石や柱穴の位置からでも、昔はどうなっていたかも推測できるのだそうだ。
推理して、文件で補足して、発掘調査で確認する。ここでも謎解きの世界だ。
大いなる謎をどう解いたか、どう考えてどう解いていくべきか滔々と話してくれる。
これも又、「いくらでも延長してください」と思える話だ。
第9講 霊山同聴
天台宗命徳寺住職、大正大学名誉教授の話
今回の夏季大学の講義では、専門家の話はどれも実に面白く、興味深い。
坊さんの話は、なかなか興にのれない。
この話もきっとそうだろうと思っていたら、
「これはおもしろい」話がうまいのだ。
あまりに面白くて何の話だったか忘れてしまった。
えらいお坊さんが修行で悩んでいたら、師匠に呼ばれて、
「「お前とわしは、生まれ変る前は、お釈迦様の前で一緒に修行した中なのだよ」と
言われた」というような話だ。
誰でも釈迦の弟子になれる。折角生まれてきたのだから、そしていつか必ず死ぬのだから、
いろんな煩悩にとらわれず、おのれがよかれと思うそのことを信じて一生懸命生、人の
為にもできることをして、生きて行くべきではないだろうか・・・
と思えばいいのかな?
お昼は最後の精進弁当
お握りと漬物
田楽(茄子と蓬ふ)、かぼちゃコロッケとオクラの天ぷら
若竹煮、人参の炒り煮、ブロッコリーの海苔和え、なます
ハッシュドポテト、フルーツ
今日はなかなかおいしかった。
午後はバスに乗って約1時間、聖徳太子御廟と叡福寺参拝だ。
ひたすら暑かった。
これで終わった。
今回の夏季大学は、予想以上に面白かった。
時空のかなたの事を、一生かけて、砂粒一つずつ拾い集めるかのように、こつこつと
資料を集めて、謎をときほぐしてきた人達、そしてその謎が少しずつ解けて行く喜び
そういう気分を短い時間ではあったが伝えて頂いたのは素晴らしい経験であった。
それと、いままできままに旅をしてきた中国の、石窟や古建築などとこんなところで
繋がっていたのかとおもわず嬉しくなる場面が沢山あってよかった。
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ありがとうございました。