中国の人達と奈良、金沢へ-01 蘇州号は南港へ

又々ミニ旅の話だ。この夏は小刻みのミニ旅がえらく多い。しかも奈良が多い。
ええかげん飽きてきた。
そんな風に思っている時に、またまたミニ旅が舞い込んできた。
画の老師の知り合いで中国、杭州の美術学院の先生方が来日するということで
運転手を頼まれたのだ。
まずは迎えに行かないといけない。
「関空ですか?」、「南港やで」
船で来るのだそうだ。上海から丸二日かけてくるという。聞くと優雅に聞こえるが
やったらしんどそうだ。
京都をでたのが朝の8時すぎ、「何時頃着くんですか?」
「9時半頃やそうやけど、入国手続きがあるから10時頃になるやろ」
「念の為に電話してみるわ」
「もう着いてるみたいやで」
えらい早く到着したようだ。急がないといけないが、空を飛ぶわけにはいかない。
手続きが長引くのを期待するだけだ。
「それで後はどこに?」と聞かなくてもわかている。
又々、奈良なのだ。それも法隆寺だ。
「堪忍してくれ」と言いたいが、相手は初めてだ。仕方がない。
港には大きな船が着いている。9時半前には到着したが、もう人が出て来はじめている。
空港とはちょっと違った景色で、見ていて面白い。
持って出て来る荷物がどれも大きい。しかも重そうだ。スーツケースにきっちりという
よりは、おおきなずた袋のようなものに入れたり、鞄からはみだし状態であったり、
例の布団袋のようなものに入れていたりと旅行と言うよりは買い出し帰り状態の人が
多い。
誰かが荷物を指さして一生懸命クレームを言っているようだ。
一抱えよりは更に大きな鼎のようなものと、火鉢のようなものが鞄からはみ出して
置いてある。鞄が破れて、鼎のようなものにヒビが入っているようだ。
しかし、鞄は入るはずもない程度の大きさだし、鼎のようなモノも如何にも偽物
ぽくって簡単に壊れそうだ。
「なんでこんなん持ってくるんやろ?」
それが不思議でならなかったが、やりとりも顛末もわからない。
さて、肝腎の客人達は、10時半すぎても出てこない。
もう他には出て来る人もいないのに、何かで引っかかっているのだろう。
11時すぎにやっと出て来た。

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