熊野古道の旅ー06.これぞ那智の大瀧

「たしかこの辺やったけど」
宿のお兄さんが教えてくれた道、青岸渡寺から那智の瀧に降りる古道があるはずだ。
「400年前からの古道ですよ」と言うからには是非見たいものだ。
「あっちか?」、「こっちか」とそれらしき道をたどりながら降りる。
「やっと見つけたこれやで」
「たぶんな」

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降り切ると那智の瀧入り口の看板があって、飛瀧神社の鳥居がある。
鳥居をくぐると森の中に入った。トンネルをくぐって別世界に入ったかのようだ。
日が暮れたほど暗い。空が見えない。
「空気がきれいやね」
「マイナスイオンとかフィトンチッドとかがいっぱいなんやろね」
自然と深呼吸したくなる。「すーーー、はーーー」大きく腹式呼吸する癖をつけないといけない。
「花粉症はどこへいったんやろ」
花粉のまさに現場へ行くはずやからと恐れていたが花がむずむずしないし、眼も痒くならない。
「マイナスイオンが吹き飛ばしたんかなあ」ありがたいことだ。
森の奥が明るくなっていて視界が開けた。
眼の前に大瀧がある。端まで行ってカメラを構えていると左手に社務所がある。
その横に、瀧見の展望台への道があって200円と書いてある。ここまで来たら行かんわけにはいかん。
10歩ほど登るともう展望台だ。「楽に行けるようにしてくれてあるんやわ」
「これか」
「すごい瀧やなあ」
「どんな風に画に描こう」
今回は画題探しの旅でもあるのだ。富岡鉄斎の那智の瀧図を思い出した。
いろな人が画に描いている。
瀧の規模からすると驚くほどの大瀧ではない。
が、どこか姿がいい。
じっと見ていると水の流れ方も面白い。
一番上で、小さな龍の頭が下向きにひょこっと現れて、それがどんどん下に流れて行く。
後に続くように次から次へと現れて続いて続いて下に落ち流れて行く。
その横も、その横も、龍が落ちて行く。
水のかたまりがずるずるっと流れているようには見えない。
生き物の集まりのようだ。
しかし、「そんなんは画に描けへんやろなあ」
瀧の一番上にしめ縄がはってある。
「神聖な瀧なんや」
拝礼をして眺める。
社務所の人が来た。「もう4時半ですねん」
「閉める時間やね」
帰りに出口の鳥居でも拝礼をして帰る。

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