高野下駅。
紀伊細川駅話のついでに上古沢、下古沢と降って話は高野下まで来た。
Wikiによれば、1925年に九度山駅から路線延伸して出来たと書いてある。当時は高野山駅と言うたらしい。
河根。
実はこのあたりはわしの故郷であるらしい。
というか父親が生まれ育った場所である。
父の実家ということで、子どもの頃、母親に連れられて何度か来たことがある。その頃は田辺市に住んでたんで結構な旅だ。紀勢線、和歌山線とJRを乗り継いで、橋本駅から南海高野線にのる。高野下駅から降りて、河根村まで延々と歩くのだ。どうやら母親は嫌々だったみたい。わしも子ども心に嫌だった。わしの場合は親戚付き合いというよりは、延々と山道を歩くのが嫌だった。九度山でおりて、しんどい山道を一気に越えるか、高野下で降りて、高低差は少ないけど長い距離を延々と歩くかどっちか。
どっちも嫌やったなあ。
山の上には親戚があって、そこに寄っていくこともあった。
やっと着いたら、母親は嫌でも子どもには楽しみがある。珍しい山の暮らしがあった。家の前には共同の水場があって、山水がそこまで下りてきてる。そこで水汲みや洗い物、洗濯までやって、村の人の憩いの場でもあったらしい。坂道を降ればすぐに川があって、魚が泳いでたけど、あかんたれのわしは一人で魚獲りはできへんかった。
父親が一緒に来たときには、魚獲りに連れて行ってもらった。父は仲間達と水に潜ってヤスで魚を獲っていたのを覚えてる。そんな時には父親がカッコよく見えた。
とはいえ、生まれ育ったとこではないんで故郷感はとても乏しい。
そこからずっと奥に行くと、キャンプ場なんかがあって、夏場はアウトドアを楽しむ人たちで賑わってる。
市平。
更に奥に行くと、市平という集落がある。
ここは、高野山に登る街道の一つ「黒河道」が通るところだ。橋本市から山を一つ越えてやっとここに辿り着いて、ここから一気に急登を登り切って高野山に至る厳しい道だ。
その途中に昔はまで久保小学校があったらしい。
こんなとこの学校に通う暮らしってわしには恐ろしい。
市平には、春になると幻のピンクの花を咲かせる木があって知る人ぞ知る名所でもある。
ピンクの花と言っても桂の古木の葉っぱが遠くからみるとピンクに見えるという現象らしい。
確かに、いかにも花が咲いてるように見える。
木は、この黒河道登山道の真っ只中にあって、とても雰囲気のある佇まいだ。
道祖神の祠もあって、地域の人たちに大事にされている。
近寄ってみると確かに花は咲いてないし、ピンクも薄くてようわからんくらいだ。
とても面白い現象ではある。
どんどん過疎化してるとはいえ、こんな山奥でもちゃんと暮らしてる人がいるのがとても良い。
川を遡ると更に集落があるみたい。
高野山の麓はなかなか懐が深い。
これから、探訪の価値ありかな。
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高野下駅の地図。
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