天空の秘境駅、南海高野線、紀伊細川駅に行ってみる−1、南海高野線って。

今回は、南海高野線、山の上にある天空の秘境駅、紀伊細川駅に行ってみる。

 

さて、南海高野線ってどんなとこ。

大阪と和歌山を結ぶ電車は3本ある。3本しかないとも言える。

和歌山自体が秘境なのか。

西側海岸寄りに、JR阪和線と南海本線があり、東側河内平野を通って高野山に向かう南海高野線がある。

大阪府と和歌山県の間には和泉山脈があって、山を越えるかトンネルを掘るしかないんで道路も鉄路も整備はとてもめんどくさい。こういうのが障害になって交通路が発展しないのだ。

明治の初め頃に大小路から狭山までの路線ができたのがそもそもの始めらしい。大阪南部と中心部をつなぐために少しずつ延伸していった。

高野山につなぐというのはそもそもから構想としてあったらしいけど、最初は、橋本駅ではなくて、今JR高野口駅があるあたりを通すのが狙いらしかった。確かに、高野山へは直線ルートになってなにかと便利だとは素人にもわかる。ところが地元の猛反対があって、橋本市を通る今のルートの固まっていったらしい。

今となってはホゾを噛んでる人も多いんとちゃうやろか。

目先の反対、何でも反対キャンペーンて今のマスコミのお家芸、いまならもっと百年の計は立て辛い。

潰してしまったら、百年経っても何もないのだ。

あじあん

わしが小学生の頃は橋本を過ぎて九度山まで電車が通っていた。

わしと父親の実家がその先、山一つ越えたところにあった。その頃、母親に連れられて、2時間ほどかけて山道を登っていった。いやでしょうがなかった。1、2年すると次の高野下まで電車が繋がった。それで山越えはせんでもようなったけど、やっぱり1時間ほどは歩いていった。

それでも嫌やったけど、高野山まで行く人は、ずっと歩いていったんやね。

それでも行く人はいくらでもいた。昔でも今でも。

因みに今でも高野山に歩いて登る道は多い。

高野七口って言うて、七つの主な登山道が関係者の人たちの尽力で保存整備されている。

あじあん

電車はいつのまにか高野山まで行くようになった。

九度山から先は電車といえども急勾配だ。

電車がギーギーと喘ぎながら登っていく音がわしの家からでも聞こえる。

高野山までと言っても電車の終点は極楽橋という駅。

まさか極楽浄土の入り口なんか。

そこからはケーブルカーで登っていく。それで高野山駅。

ここからお寺のある地域まではバス移動だ。

昔は、難波から高野山極楽橋まで直通の急行電車があったけど、今では乗客が激減したということで橋本駅止まりになってしまった。

一部の特急を除いて、高野山に行く人は橋本から乗り換えなのだ。

この電車は、橋本ー紀伊清水ー学文路ー九度山ー高野下ー下古沢ー上古沢ー紀伊細川ー紀伊神谷ー極楽橋ー高野山と登っていく各駅停車だ。

一部のヘラ竿マニアの聖地らしい、中国の人が高価な竿を買いまくってるらしい、紀伊清水。

その文字から無理やり牽強付会したかの学文路神社がある学文路駅。

真田幸村が隠れ住んだという九度山駅。

ここをすぎると、駅路はどんどん登りになって、途中の駅は、全て天空の秘境駅風になって行く。

もし電車に乗るなら、進行方向に向かって右側がおすすめだ。

ほとんどの左側の景色が山と森林だけなのに対して、左側には麓の集落を見下ろしたり、谷間から向こうの山里が見えたりと人の暮らしが垣間見えて、見飽きることはないと思う。

その上、どの駅で途中下車しても、結構楽しめると思う。

何もないようで、なんかある。

なにせ、高野山に登る主たる街道沿い、昔から栄えた村がたくさんある。いまは滅びかけててもそれなりの歴史がある。いろんな楽しみがありそうではないか。

しかも、このあたりは丸々世界遺産に含まれてる。

そのためかどうか、この路線には外国人旅行者がとても多い。

しかも中国系の人は少ない。

有名な巡礼路スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラなどと思いを合わせてこちらにもと言う欧米系の人が多いみたい。

せっかく、世の中の潮目が変わってきて、インバウンドの人たちがたくさん訪れる地にはなったけど、それをあんまり活かすこともなくこのあたりはじわじわと寂しい土地になって行ってる。

あじあん

四文字遊び。

邯鄲学歩。

わしは昔、とても純朴な田舎の高校生やった。

それがいきなり、都会に出て、見知らぬ土地で学生生活を送り始めたとたん麻雀を覚えてすっかりハマってしまった。挙句にわしの住むボロアパートの部屋は友人たちが集まる麻雀小屋になってしまった。まるで巣窟やね。そこを出るときには、集まった人数分、日にち分、畳が足で擦られ削られて、大きな穴が開いてしまった。

大家さんにこんなん今までみたことないと大いに叱られて、弁償させられたものだった。

外を出歩かんと皆で畳一枚の上で足を擦り合わせたんやから無理もない話だ。

おかげで、麻雀は上手になって随分先を読めるようになったけど、人生の先はさっぱり読めず、低迷するばかりの人生であった。

もう遅いけど。

最後は、何の関係もない話でありました。

あじあん

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