天気がよかったらこの広場からの見晴らしもかなり美しいと思う。背後遥かに山が聳えて
遠くにも沢山の棚田を抱えた丘が続いているのが見えるのだろう。その丘には三角に尖った
背の高い杉の木と赤い屋根の別荘が似合うのだ。
今は何も見えないので体は自然と下を向く。坂を下って行くと角のところに電器屋さんかな?
日本の某社の洗濯機だ。こんな厳しい時代にこんなところでも頑張っているのだ。
ちょっと胸が熱くなるなあ。この会社は日本では相当苦戦しているが、ベトナムでは頑張って
シェアーを築いているのだそうだ。隣の某国の電気会社にまけるなよ。
道は下りながら右に曲がって行くが、左に登ると路地裏商店街があった。面白いから覗いてみよう。
果物や野菜、肉、魚類、要するに日用の生鮮食料品がメインなのだ。
魚は川魚やろなあ、鮒や鯉?、籠に入った鶏は生鮮食料品なんやろなあ?やっぱり?
一番奥に、妖しいモノが並べてある。
蛇や蜥蜴の入った酒だ。ベトナムやからベトナムウォッカというやつやろか。
効くんやろか? 臭いやろなあ。
大体見尽くしてしまった。どっかでお茶でも飲んでゆっくりしよう。と思っているうちに
ホテルまで来てしまった。ホテルのロビーに座ると例の執事さんが挨拶してくれる。
しばらくすると若い男が暖かいジンジャーティを持ってきてくれた。
「今回の滞在はどうでしたか?」と聞いてくれる。なかなか居心地のいいサービスをしてくれる
人達だ。ホテルを換えられたという気持ちが心のどこかにあったが、もしかしたらこちらの方が
ずっとよかったのかもしれない。
因みに名前は、Papillon Sapa Hotelという。
向こうで誰かが呼んでいる。誰かと思えば、昨日のカナダ籍ベトナム人だ。よく会うなあ。
「一緒にコーヒーでも飲みましょう」この人と話すと何となく寛げるからうれしい。
今日一日は私達よりかなり遠いところまで行っていたようだ。
行くところはいくらでもあって案内コースもいくらでもある。
それで同じ列車でハノイに帰って、それからホーチミンに行って一カ月ほど滞在するのだそうだ。
その後、タイに行って・・・・・。うらやましい。
40代後半だろうか、ITのプロフェッショナルと言っていた。私はいろいろあって少々へこみ
気味だが、この人は元気一杯だ。
ベトナムコーヒをゆっくり喫んでいる間に迎えがきた。
ラオカイ駅に向かう。
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