源聖坂から口縄坂へ。
さすがに、天下の松屋町筋、えらく賑やか。人通りも多いし、車も多い。

お寺も多い。

ほんまやねえ。
ちらりと見ながら前に進む。

路地から出てくる車も多いんで気をつけんとあかん。
ガソリンスタンドのお兄さんが車を止めて、わしらを通してくれる。
次の坂まで今度は結構長い。
ようやく、標識が見えてきた。

ちょっと行きすぎて標識をみてから戻る。

口縄というのは蛇のことだそうだ。
下からみたら蛇がくねっているように見えるのだそうだ。

そうは見えんけどなあ。平坦部分がかなり長い。
左側にも大きなお寺がある。

ここもなにかしら由緒がありそうだ。

先ほどの看板によれば、この辺りは、とても風情のあるところだったらしい。
天王寺七坂のうちでも一番、昔の情感を残しているという。

確かに、なかなか良い感じだ。
木が鬱蒼としてて、新緑の味わいがある。
木漏れ日の奥に小さな坂が見える。

これが織田作之助の原風景なのか。
石畳の一番うえに人影が。 いい感じやね。
登り切ったその奥に塔が見えるのも良い。どこのお寺のかは知らんけど。

一番上まで来たら、石碑があった。
こんなん、じっくり読まんでも、写真を撮っといて後でみたらすぐわかる。
なんて、適当に写真を撮りながら歩いてるけど、この石碑、後で見てもなんて書いてあるかさっぱりわからん。
それでググってみる。
便利な世の中ですなあ。

「口縄坂は寒々と木が枯れて、白い風が走つていた。私は石段を降りて行きながら、もうこの坂を登り降りすることも当分あるまいと思つた。青春の回想の甘さは終り、新しい現実が私に向き直つて来たように思われた。風は木の梢にはげしく突っかかっていた」
織田作之助、「木の都」の一節らしい。

昔はこの丘の上に夕陽丘高等女学校というのがあったらしい。
織田作之助の青春がここにあったのか。
丘の上に佇む女学生たちの華やかな笑い声は今はもうない。
爺さん、婆さんの、あるいは犬の散歩道。
上から下をみる。

振り返る。あの塔はどこのお寺のやろ?

では、次に行こう。

ユーチューブ動画を作ってみました。時間があったらご覧ください。
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