春を待つ

毎日寒い日が続く。
暑いのはがまんしやすいが、寒いのはあまり得意ではない。
暖かい土地に生まれたせいだろう。
毎日ウォーキングは続けているが、春の兆しは見当たらない。
寒い風が吹くお正月あけに歩いていたら、白鷺がふわり、しゅーっと
飛ぶのが見えた。目の前の木の枝に止まっていて、人の気配を察して
右手の土手の向こうの池の方に飛び去ったのだ。なかなか気配に敏感
なやつだ。
それで土手に登って見ると、池が凍りかけて寒々としている。
いつもなら白い鳥や、灰色の鳥が何羽も群れて休んでいるところだが
今日は殆どいない。
遠くの山はぼんやり霞んでいて、雲の間から光がその山霞に射し込んで
いて長閑な風景だ。
正月早々、こういうのは気分がいい。
この気分を画に描いてみよう。

tori110115
その心は漢詩にするとどんなだろう、といってもすらすらと漢詩が
浮かんでくるほどの教養人ではない。
いっしょうけんめい本を探るとこんなのが出て来た。

落梅 陸遊
酔うて折る 残梅の一両枝
妨げず 桃李の自ずから時に逢うを
向来(きょうらい) 氷雪の凝ること厳しき地に
力(つと)めて春の回るを斡(すす)むるは 竟(つい)に是誰ぞ
 岩波文庫 陸遊誌選 一海知義 編 より
うん、ええじゃないか。