毎日寒い日が続く。
暑いのはがまんしやすいが、寒いのはあまり得意ではない。
暖かい土地に生まれたせいだろう。
毎日ウォーキングは続けているが、春の兆しは見当たらない。
寒い風が吹くお正月あけに歩いていたら、白鷺がふわり、しゅーっと
飛ぶのが見えた。目の前の木の枝に止まっていて、人の気配を察して
右手の土手の向こうの池の方に飛び去ったのだ。なかなか気配に敏感
なやつだ。
それで土手に登って見ると、池が凍りかけて寒々としている。
いつもなら白い鳥や、灰色の鳥が何羽も群れて休んでいるところだが
今日は殆どいない。
遠くの山はぼんやり霞んでいて、雲の間から光がその山霞に射し込んで
いて長閑な風景だ。
正月早々、こういうのは気分がいい。
この気分を画に描いてみよう。
その心は漢詩にするとどんなだろう、といってもすらすらと漢詩が
浮かんでくるほどの教養人ではない。
いっしょうけんめい本を探るとこんなのが出て来た。
落梅 陸遊
酔うて折る 残梅の一両枝
妨げず 桃李の自ずから時に逢うを
向来(きょうらい) 氷雪の凝ること厳しき地に
力(つと)めて春の回るを斡(すす)むるは 竟(つい)に是誰ぞ
岩波文庫 陸遊誌選 一海知義 編 より
うん、ええじゃないか。