九度山暮らしのある日、珍しい緑色の桜(御衣黄)が咲いた。

珍しい緑色の桜(御衣黄)が咲いた。

全国に桜の名所は数々あれど時間が経てば次々に散っていって華やかな賑わいも寂しく
なっていく。けど自然の移り変わりはようできてる。桜が散れば次がくる。またその次が
来る。
そんなこんなで九度山でも朝晩のウォーキングの度に満開の桜を愛でてたんやけど
だんだんと無くなってきた。
ということはそろそろやなあって思う。
何がそろそろかって言うと、桜の花が散るころに咲く桜があるのだ。
しかも緑色の桜なのだ。去年見つけてびっくりした。調べてみたら御衣黄という名前の
桜だそうで特に珍しくはなさそう。九度山の人はほぼ誰でも知ってるみたいだった。

今年もその場所に行ってみたら、最初はもうすぐという感じやったけど、この日は
満開状態。

とても美しい。緑色が奥ゆかしい感じでソメイヨシノのような華やかさはないけど
わしはこっちの方が好きかも知れん。

御衣黄なんて名前自体が風雅ではないか。花の色が平安貴族の衣装の萌黄色を思わせる
ことから名付けられたみたい。ウィキペディアによればシーボルトの標本にも入っているという
ことだ。
九度山ではあちらこちらでこの花が見られる。
町中を歩いていても何処かの家の庭に咲いているし、農道を歩いていたら、柿畑の
一角に植えられていたりする。違うかな? よう見たら違うかも知れん。
ここからやと高野山を背景に見ることができてなかなかええもんだ。

下を向いたら、野草が見える。

ええなあ、こういうのを綿密にスケッチする根気と技量があったらなあって思う。
怠惰に暮らしたらあきません。

桜の季節がこうやって終わっていくと次は5月も終わり頃、栴檀の花が咲くはずだ。
南方熊楠が愛したという薄紫の繊細な花が満開になるとこれまたとても上品で優雅な
香りが漂う。
これも楽しみの一つ。
九度山暮らしもなかなかええもんだ。

この近くに御衣黄が咲いている。

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ありがとうございました。