日本人がいた街で沈香を買った。
手元に焦げ茶色の木の塊がある。木の根っこを切り出したものとは微妙に違う。
木に樹液が染み込んで長年の間に一体になってしまったというやつらしい。樹脂とも違う
どことなく風格のある様子でもある。
長さ7、8cm直径4cmくらいかな?
これは何かというと沈香というやつらしい。いわゆる香料である。
それもすこぶる高級なやつらしい。
線香などによくある香りなんやけど、それは、こういうやつの端材を粉砕して
練り込んだやつらしい。本物はこんなふうに塊になってる。えらく高い。こんな
小さな塊でもそこそこの値段であった。今ではもっとバブってるんではなかろうか。
確かに置いておくだけでも良い香りなんやけど、やっぱり、香道のように小さく
削り出して雲母板の上であぶると絵も言われる芳しい香りが立ち込める。
いつの日かそんなんちゃんとしてみようと道具を買って待機中だ。
その日はいつのことやら。
とりあえず試してみた感じではとても良い。とても良い香りだ。
しかし、とても面倒くさい。
さて、これってどうやって手に入れた。
ほとんどがV国だ。
そして一番大きいやつが、この旅でやってきた日本人がいた街、Ho街で買ったのだ。
この街を歩いてて骨董屋さんみたいな店を見つけた。というかこんな店はたくさんある。
中国伝来らしき陶磁器などがたくさん陳列されている。昔の交易でもたらされたものなんやろ。
骨董屋さんは好きやから買うわけではないけど、なんせ、良さげなもんはどれも高いんで、見るだけでも
楽しい、というか見るのが楽しい。で、興味深く眺めていると、ガラス戸の中に黒っぽい
木の塊があった。もしかしたらとようく見たら、やっぱり沈香だった。この国あるいは
隣の国で昔から伽羅、沈香がとれるというのは知ってたんでもしかしたらと期待の目で
見てたらやっぱりあった。一見、焦げたような木の塊のようでもあるけど握り拳ほどの
ものであれば何十万円もするというとても高価なものなのだ。
なんでこんなに高いのかと言うと、素晴らしい香りがするのだ。
木そのものではなくて、熱帯のある種の木がある種の条件下で、自身に受けた傷を癒すために、
かどうか?、樹液を出すのだそうだ。それが年月とともに木と樹液が一体化するように変化して、
このような焦茶色の物体になってしまうのだそうだ。
知らんけど。
どんなに凄いかというと正倉院の中に「蘭奢待」と名付けられた御物があって時々、
正倉院展に登場するけど、これがその大っきいやつなのだ木の切り株みたいやけど
巨大な沈香なのだ。著名な時の権力者がその権力をかさにきたのかどうか、ちょろっと
切り出して、名札を付けている。そんな偉い人でも遠慮しいしい頂くなんてどんな
すごいんやろって思ってしまう。
わしは、宗教関係者でもないし、香道の専門家でもない。ただのミーハーではあるけど
ここにしかない、珍しいモノには興味がある。
良い香りいうのも気になる。
値段を聞くと思ったほどは高くはない。モノの値打ちからすると順当なんではないやろか、
思い切って買ってしまおう。
お茶をいただきながらそう考えた。
そう言えば、インドに行った時に白檀の木彫りの像なんかをせっかくやからと色々買って
帰ったこともある。しばらくはとても良い香りがした。
家においてるうちにだんだんと匂いは薄れてきた気がするけど、これは偽もんやったから
ということでもなさそうだ。保管の仕方の問題でもありそう。
旅の空での買い物は2度といけないとこもあるんで、気に入ったものを買えたらとても
嬉しいと思う。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。