密林の中でお茶をいただく。
手漕ぎの小型舟で支流をあちらこちら、確かに非日常的な迫力はあるんやけどジャングルばっかり
見てても少し飽きてくる。それを見越してか時々陸に上がる。観光ツアー用に何らかのアクティビティが
準備されている。例えば、地道を歩いて村に入ったら、飴を作ってた。よくあるパターンだ。
何でメコンに関係あるんやって思ったらココナッツキャンディというものらしい。
また、ある村では機織りを見せてくれた。よくあるパターンだ。
それより、通り過ぎる民家の軒下で椅子に腰掛けてボーっとしてる爺さん、婆さんをじっくり
見てる方がええなあって思う。向こうは迷惑やろけど。
また、ある村に行った。ここではちょっと様子が違う。
また、テーブルに腰掛ける。どうやらお茶をご馳走してくれるみたいだ。
テーブルの上にはとてもいい磁気の急須(ティーサーバー)が載っている。
V国の古い街や古い家には、よくこういう中国の景徳鎮窯風の焼き物が置いてある。
明国時代の交易船がもたらしたものなんやろか、骨董品やけど実用には差し支えないし
時代の味がでてとても良い感じのものが多い。愛憎交々なんかもしれんけどこの国と
中国との昔からの縁の深さが偲ばれる。こんな田舎のジャングルの奥でこんなのが
出てくるのはなかなか憎たらしい。お茶は中国茶、緑茶ではなく発酵茶だ。
それにライムを入れて飲む。
V国でもお茶の栽培は盛んで、ラオスに近い高原地帯に茶畑がある。朝晩の温度差が
激しくて多湿な土地はお茶に向いているのだ。これも古来からの中国との交易が
もたらしたもんなんやろか。この国では、このお茶にハスの花の香りを染み込ませた
ハス茶が有名やけどそれは高級品やからあんまりこんなとこでは出てこない。
エアコンはないけど、バナナの葉や椰子の葉の木陰に風が通ってとても良い気分だ。
目の前の木にぶら下がってる巨大なフルーツは、かのドリアンかと思ったら、ジャックフルーツと
いうやつだった。
やっぱり豊穣のジャングルでは果物には困らへんのやわって思ってたら、お茶請けのお菓子に
果物がでた。ドラゴンフルーツというやつだ。見た目からしてトロピカル、あっさりして
美味しい。
しばらくすると準備が出来たみたい。
民族楽器の演奏を聞かせてくれるそうだ。打楽器と弦楽器からなるシンプルな構成やけど
どこか哀切な音色が心を穏やかにさせてくれる。
憑かれたように歌い踊るというような盛り上がりもなく。同じV国の北の方でやってる
人形劇の伴奏みたいにドンドンガラガラと賑やかでもなく。地道に演奏は終わった。
安いツアーやからまあこんなもんであろう。
高いやつは昼飯で有名なエレファントフィッシュを食うらしい。
わしはV国人の知人の家に招待された時に食ったことがあるけど、確かに美味しいけど、
百聞は一軒の価値というほどではない。
てなことでメコンクルーズツアーは終わった。
あとはジャングルを抜けて、港に帰る。
アクティビティは程々であったけど、結構楽しかった。慣れない英語で緊張して
会話するのが、特に話題を考えて話しかけるという行為が、シャイでめんどくさがりの
わしにはええ経験になった。それなりにアクションを起こせば答えてもらえる。
間違っててもぎごちなくてもしょせん会話ではないか、同じ言語の仲間だけで
凝り固まってるよりはるかに新しい発見がある。
今日はとても良い体験をした。はずかしい間違いの記憶もたくさんあるけど、
とても良い思い出だ。機会があればどんどんこういうツアーに参加したいと思う。
それにしてもやっぱりいろんな言葉を勉強しておくのは大事な事、努力せんとあかんなあ。
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ありがとうございました。