コロナ日和の日々、妄想の旅に出る。V国へ、H市からF市へ列車の旅−05、メコン河に向かう。

メコン河に向かう。

この街のバックパッカーたちのたまり場になってるあたりに着いた。
旅する人たちに人気のバンコクやコルコタ、カトマンズ、アジアのいろんなとこに彼らの
たまり場になってる地域がある。安いゲストハウスがひしめいて、妖しいのやらそうでないのやら
食いもん屋台もいっぱいあって、爺さん婆さんはあんまりおらんけど、若いかどうかわからん
時には男か女かようわからん、或いは、むさくるしそうな格好をした外国人たちがあちらこちらにいてる。
そうでもない人もいてる。よう考えたらわしかて外国人だ。
もちろん現地の人もいてる。
要するにわけわからん賑やかなとこで、どこの国でもこういう人たちがたむろする街はどこもよく似てる。
安いツアーを売る旅行社もこの界隈に集まってる。客が集まってるとこやから当然だ。
集合場所ももちろんここだ。多分。
目指す一角にいろんな国の人たちが如何にもという風にたむろしてるとこを見つけた。
係員風の人を探して昨日もらったチケットを見せる。ちゃんとうなずいたのはここで
間違いなかったということだ。なんせ今回は英語ツアーだ。これを選んだのは
英語に自信があるからでも、積極的に英語を勉強したい、あるいは使いたいという高邁な心から
でも決してない。日本語ツアーの数分の一という圧倒的な安さに惹かれたセコい心から
なのだ。1日みんなの後ろから着いていくだけやったら少々わからんでもなんとかなるやろ。
てなことでバスに乗り込むけど少々不安。あっちの方に日本人のグループがいてるけど、
どうも日本語ツアーを申し込んだ人たちらしい。結束は硬い。
仲間には入って行き辛いんでわしは1人で窓側に座る。会話よりは外の眺めを見ていたい。
H市の中心部はオフィスビルが立ち並んだ大都会でもある。お互いにブーブープップーと警笛をひっきり
なしに鳴らしながら大量のバイクとその間を車やバスが遠慮がちに?走る
郊外にでると、最近急増した富裕層の人たちが住む高級住宅地が広がる。豪華マンションも
あるけど立派な一軒家が多い。車庫にはBMWやベンツ、ええ暮らしではないか。
さらに郊外へ。
埃っぽい道が続く。荒れ野があったり、小さな町があったり、畑があったり。
道端にはアジア特有の露店が見られる。よれよれのビーチパラソルを日除けにして
果物や飲み物を売ってる。その合間にとても不思議な光景が見られる。
地べたに敷いたシートの上にフランスパンを籠に入れて売ってはるのだ。
V国は元々フランス領だったところ、フランス料理やフランスパンがあっても不思議ではない。
それがどう気に入られたのか、市内のあちこちで、あるいはこういう田舎の道端でも
パンを焼いて売りに来る人たちがいるのだ。ちょっとしたおかずを挟んでサンドイッチ
にして売ってる場合もあるし、バケットのまま売ってる時もある。正直このクソ暑い道端で
フランスパンを買って食って美味しいんかいな、しかもホコリがたからへんのかと
心配でもあるけど、そのためか、パンに布を被せて商売してるひとも多いけど、
あちこちで売るからには買う人がいてるということで、国中でこの商売が繁盛してる
ようなのだ。
わしは、どうせそんなんフランス風の紛いもんで大してうまいことあらへんのやろって
思ってたけど、ある時、街角でサンドイッチを食って驚いたことがある。皮が薄く、
サクッとパリっとしてて中がふわふわでとても美味しかったのだ。
いや侮ってはいかんのだ。

車窓の風景はどんどん緑が濃くなっていく。
南方の植生が生い茂っていて、分厚い葉っぱの匂いが漂ってくる気がする。
だんだんと湿地がたくさん見られるようになってきた。
車内では時々英語で説明がある。日本語ツアーの人たちも同じバスの中やから特別な
ことはない。着いてから差がつくんやろなあって思う。
幸いわしの隣には誰も座ってないんで英語で喋らんでもよい。
安心してうとうとしてるうちに、3時間ほどで目的の河口の街に着いたようだ。

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ありがとうございました。