雪の新潟紀行、北越秋山郷を尋ねる旅ー38、白鳥が瓢湖に少しずつ戻ってきた。

白鳥が瓢湖に少しずつ戻ってきた。

すっかり陽が落ちてしまった。

だからと言ってすぐに真っ暗になるわけではない。陽の名残がうっすらと残ってまだやや
明るい。
陽が暮れたら戻るって言うけど、何時何分、食事終わり、何時何分出発、帰宅は何時何分って
決まってるわけはない。わしらのわからん神の摂理と太陽コンパスに導かれて動いてはるんでは
なかろうか。

気がついたら少し白鳥が増えている。

いつのまにか帰って来たんやろか。
「おい、帰って来たぜ」と言う声で湖面をよく見たら、2、3羽の白鳥がふわりと舞い降りる
とこやった。

おおやっぱり帰ってくるやんかと安心する。

それからじっと目を凝らして湖面をみてると、また、ふわりと降りてくる一団を見つけた。

一斉に帰ってくるというのではなくて、ひっそりと小集団ずつで帰ってくるみたい。

夕闇のなかをあちらこちらに目を凝らしていたらいつのまには湖面をふわりと飛んでいたと
いう感じだ。

これってやっぱり家族単位なんやろねえ。

親子に親戚、いとこにはとこ?

いつのまにか結構増えてきた。

しかし、これで2000羽近くあるとは思えない。まだまだ夜に向けて帰って来るんやろう。
えらいボチボチやけど次々帰ってくる。しかし、どんどん暗くなる。

そのうちバスの時間が迫ってきた。いつかは豪華な白鳥の競演が見られるかと期待して
待ってたけど本格的に増えるのはまだまだ遅い時間かも知れん。
もしかして明日の朝、夜明け前に来たらドンと増えてるかも知れんと思ったけど、
天気予報は最悪だ。
きっと雨。
奇跡を期待してとりあえず、バスに乗ろう。

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ありがとうございました。