水墨画を習っていると、墨、筆、硯、紙の選択が悩ましい。
特に紙は消耗品だ。練習で沢山使うので、お金もばかにならない。
かといって、練習に安いの、本番で高いのなんて使い分けはある程度しないでは
ないが、なかなか難しいものだ。いくら好いものが練習できたと言っても
紙が違うとうまくいかないこともある。それに本番の時だけ好い画がかけるとは
限らない。筆使いや部分練習は別として、普段からいいものを使っていたいものだ。
水墨画の紙は画仙紙という。
多分、殆どは中国で生産されているのだろうと思う。
その殆どが、安徽省の涇県、宣城というところで作られているそうだ。
先日の旅行で折角安徽省まで行ったのだから、紙の工場も見て見たいと思っていたが
更に片道3時間以上の行程だというので断念したのだ。
いろんなブランドがあるが、材料の微妙な違い、漉き方、厚さ、処理の仕方で其々
墨ののり方、滲み方が違ってくるという。
しかもどれが良いかは好みの違いだというからやっかいだ。
好みを言うほどの違いはわからない。滲みの美しさもやった結果でしか分からなくて
狙って作る技量はない。そうなると、まあそこそこのを買っておくしかないではないか。
それで、北京に行った時に、瑠璃庁という文房四宝街に行って物色した。
買って帰って老師に見せると中々良いという。
何につけても悪くは言わない人だから、100%信用はできないが、まあいいとしよう。
それに、やっぱり向こうで買って帰ると日本で買うよりははるかに安いのだ。
中国製だと輸入コストがかかるし、日本製はもともと高い。
高級ブランドでも、1反(100枚)6000円位だ。
それに各種いろんな好みをいうと値段はわからないが、贅沢をいわなければ、5000円
以下で買える。
いつもいつも紙を買いにいけるものでもないので、買える時には買って置いて備蓄
する事にしている。
紙と言うのは、長期間保存しておくと、水分が好い具合に抜けて行って、滲みに
味がでてくるのだそうだ。そういう意味でも備蓄は良い。
北京の紙屋で一生懸命、10元、20元値切って、大きな紙をえっさえっさ下げて帰って
くるのだ。
1反で70cmx35cm程度の大きさで厚みが5cm弱もあるので、買ったら紐をかけてもらうのだが
最近良い容れ物を画材屋で見つけた。これならすっぽり入れて帰れる。
せっせと買って貯めておこう。
しかし、こんな紙では満足できない腕になってしまったらどうしよう。
その心配は当分なさそうだ。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。